MY UNIFORM Vol.6
BLACK ITEMS
TORI / Hair & Make-up Artist
Aug 31, 2022 / FASHION
“私らしさ”がビビッドに表れた
スタイルのある女性たちのユニフォーム
トレンドと程よい距離を保ちながらマイスタイルを楽しむ“INDEPENDENT GIRL”が、昔も今もずっと身につけている服。そんなユニフォームのような存在のアイテムは、彼女たちのセンスや気分、何よりファッションに対する愛に満ちている。連載第6回目はヘアメイクアップアーティストのTORIさんに、「撮影の日は絶対」と言う黒いアイテムを紹介してもらった。
PHOTO_Haruki Matsui
FILM_Kouki Hirano
FILM EDIT_Kenta Ogo
EDIT＆TEXT_Yoshio Horikawa（PERK）
BLACK ITEMS
TORI / Hair & Make-up Artist
自分のことを気にしなくていい黒を着て、
オンもオフも気分よく過ごすのがモットーです
トップスもパンツも靴も靴下も、撮影がある日は黒一色です。モデルの隣に立ってメイクする時に顔に色が反射しなかったり、万が一映り込んだ時に目立ちにくかったりするので。あとは服を選ぶ時間があれば、準備や撮影のことを考えたくて、朝からバタバタせず気持ちが安定するというのが大きいですね。周りの人には同じに見えても、Tシャツのシルエットやパンツの質感など、自分の中では微妙な変化があって。Tシャツで言うと、若い時は本体がフレッシュなので服はヨレっとしている方がいいなと思っていたんですけど、歳を重ねてくるとパリッとした清潔感がある生地がよくて。前までは好きだったオーバーサイズの服も、動いた時に袖が引っかかったり、裾がだぶついた際にメイクで汚れるのもイヤで。ここ数年で、生地が分厚くて何回洗ってもヨレない〈ヘインズ〉のビーフィー、Sサイズに落ち着きました。
音楽を聴きに行く時も黒い服。仕事の日と同じで、その時々の目の前のことに没頭したくて。オフの日に家でゆっくり過ごす時は黒以外の色のワンピースを着ることもあるけど、夜にご飯に出かける時はその後に音楽を聴きに行くかもしれないから黒い服、それに黒の歩きやすい靴をはいて出ることが多いですね（笑）。後で気分が落ちるのがイヤで、だったら先に準備しておこうと。自分のことを気にしなくていい服が黒だと思っているんですけど、それを着てオンもオフも気分よく過ごすのがモットーという感じです。
冬場は黒のパーカーを結構着ています。バックプリントはあっても前は視界に入っても気にならない無地。スウェットではなくパーカーなのは、外が寒くて風が吹いた時にフードを被って紐をギュッと縛れるから。帽子は飛んで行ったりなくなったりすることもあるから、くっ付いている方がよくて。あと前チャックは裾がもったりするので、プルオーバーが絶対。私、パーカーもプレゼンできると思います（笑）。
LAに行った時に、友達に連れて行ってもらった古着屋さんで買った〈ソニア・リキエル〉のTシャツ。上からフランス、イギリス、アメリカ、日本の国歌の歌い出しが刺繍で綴られていて、「君が代」はゴールドでちゃんと縦書きになっているのがいいですよね。
〈パラブーツ〉のミカエルはフィット感がめちゃくちゃいい。この外側の程よいカーブがはきやすくて、革もやわらかくておろしたての時点で足がまったく痛くならなかったですね。はいたらさっと磨いて買った時の箱に入れて、結構長く5年くらいはいています。
〈ヘインズ〉ビーフィーのロンTバージョンです。今日着ているTシャツと同じくサイズはS。10月末くらいかな、寒くなったらTシャツからこれに変わります。黒、S、あとは撮影の時に袖をシュッとまくるので、リブありが絶対。結構な枚数をストックしています。
〈ドクターマーチン〉は15、6歳の時からはいていて、もはや足のような存在。いろんな種類を持っていて、サイドゴアはヘアメイクのアシスタントの頃からかな。8ホールなど紐があるブーツだと脱ぎはきが面倒だけど、これはスタジオに入る時にパッと脱げてかなり楽です。
〈TTT_MSW〉のロンTは結構前のシーズンのものだと思います。この2人は実在する兄弟で、片方がマフィア、もう片方が政治家で暗躍しながら黒いお金を動かすという（笑）。映画も観ましたけど、結構面白かったです。
「サイレントサウンド」という出版社がLAにあって、出版社でこの名前いいなと。このTシャツは東京にアートブックフェアで来ていた時に、前から本のセレクトが好きだったこともあって手に入れました。
ローファーが好きで、タッセルがないものも含めて沢山持っています。これは〈ソロヴェアー for YMC〉ですがブランドは気にしていなくて、素材がエナメルなのとマーチンソールが歩きやすくてよいなと。
大阪・南堀江にある「Pulp gallery」のTシャツ。コロナ禍にクラウドファウンディングでいろんなアーティストとのコラボで作られたTシャツの一つで、これはTakashiMakabeデザイン。
〈グレン・クライド〉のライフロングという名前のソックスは、はき続けていて穴が開いたら新品と交換してくれるみたいで。それだけ品質に自信があるということですよね。4足持っているので、一生買わなくていいかも（笑）。
〈L.I.E.S. Records〉というレコードレーベルのTシャツ。主張が強く最近は現場ではあまり着なくなりましたけど、レーベル自体は好きで。意味というか、何のTシャツなのかわかっていない服は昔も今も絶対に着ないですね。
PROFILE
広島県出身。ヘアサロンで勤めたのちに上京し、ヘアメイクのアシスタントを経て2014年に独立してからは雑誌や広告、ショーなどで活躍中。コラージュアーティストとしても活動し、〈Cycle by myob〉などファッションブランドとのコラボレーションも不定期で展開。
http://t-o-r-i.com/
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