MY UNIFORM Vol.2

Apr 21, 2022 / FASHION

“私らしさ”がビビッドに表れた
スタイルのある女性たちのユニフォーム

トレンドと程よい距離を保ちながらマイスタイルを楽しむ“INDEPENDENT GIRL”が、昔も今もずっと身につけている服。そんなユニフォームのような存在のアイテムは、彼女たちのセンスや気分、何よりファッションに対する愛に満ちている。連載第2回目は〈サイクル バイ エムワイオービー〉のデザイナー、ComiさんがヴィンテージのロンTを紹介。

PHOTO_Haruki Matsui
MOVIE_Kei Doguchi, Kouki Hirano
EDIT&TEXT_Yoshio Horikawa(PERK)

VINTAGE LONG SLEEVE T-SHIRT
Comi / 「Cycle by myob」Designer

固定観念をなくして発想の幅を広げてくれる。
変わったものの方がグッときますね。

 中学生の頃から古着、なかでもロンTが大好きで。ただ、昔と今とでは捉え方が変わってきていて、今は子どもの面倒を見ることもあってとにかく楽チンなのがよくて。なので一年中ロンTにパンツ、しかも例外なく裾をインしてます(笑)。デザイナーなのにレイヤーが得意じゃなく、いつもロンTを着てパッとパンツはいてというのがマイスタイルですね。
 自分のブランドでも作ってますし、アメリカやヨーロッパのインディーブランドのものもネットで買いますけど、やっぱり古着がいちばん可愛いし、何よりストーリーがあるじゃないですか。あと、あのクタッとした着心地とユルめの首元も好き。パリッとした生地やキュッとした首がニガテで、たまに首が詰まったものにトライするんですけど、すぐに脱ぎたくなる(笑)。年代はどうでもよく、グラフィックに関してもこの映画だから、このバンドだからというよりあくまでフィーリング。自分が手がける服のインスピ源になることもあって、サイズバランスや独特の色合いもそうですし、もちろんグラフィックから影響を受けることも。例えば、宇宙人が覗いているものも片方の袖にU、F、O、もう片方にはハワイのいろんな島がプリントされていて。腕プリ=文字という考えがあったけど、それを見ることで絵柄やアルファベットをランダムに並べてもいいんじゃないかとか、別に縦組みにしなくてもいいよねとか、固定観念をなくして発想の幅を広げてくれます。変わったものの方がグッときますね。
 ロンTは10代からずっと欠かせない存在。古着だけでも50枚くらい持っていて、今日は晴れてるから白がいいなとまずはボディの色を決めて、そこからグラフィックを気分で選んでます。パンツは〈サイクル〉が多いですね。子どもと遊ぶ時もロンTにパンツですし、展示会などで人前に出る時もまったく同じ。それ以外の格好はあまりしないです。きっとこれからも古着のロンTを買い続け、着続けると思います。

原宿の「オトエ」で買ったハワイの会社が作っていたロンTです。フロントの宇宙人が覗いている感じと、このフォント。ボディのくすんだ色合いも申し分なくビビビッてきました。袖やバックプリントも含めてパーフェクトです。
クラフトワークのブートTかな? アーティストどうこうというよりグラフィックが好きで、これは登場回数がかなり多いですね。サイズやユルめの襟ぐりもいいし、クタッとしていて着心地も最高。バックプリントも好きです。
バスケのデニス・ロッドマンのタトゥを再現した一枚。青や赤のこの色あせた状態が好きで、色がパキパキだったらおそらく買ってないですね。彼自身には特に興味はないんですけど(笑)、ブルーデニムにインするだけで可愛い。
アメリカのヘヴィメタバンド、アンスラックスのおそらくプロモーションT。最初は真っ黒だったんだろうけど、洗って古くなってチャコールになっている感じが完璧です。主人のものなんですけど、裾のリブをちょん切ってます。
アタリ・ティーンエイジ・ライオットというドイツのバンドで、音楽もスタイルも好きです。染み込みのシルクスクリーンなのかな。ボコボコしていないなじんでる感じもいいですね。
これもアタリ・ティーンエイジ・ライオットのロンTで、ドイツのアングラなムードとストリート感が表れたグラフィック。背中には過激なメッセージがプリントされてます。
KLFというイギリスのハウスユニットのもので、いわゆるロックTとはグラフィックのノリが全然違いますよね。“Mu Mu”って描かれた袖プリントもめっちゃ可愛いです。
電気グルーヴですね。1993年に行われた「野村ツアー」の時のロンT。これももともとは主人のもので、袖がカットされていてもはやベースボールTみたいになってます(笑)。
“QUARK COMMUNICATION SYSTEM”という企業だと思います。略してQCS。この目、怪しすぎません? 白、紫、黒という色にグッときました。謎にグラデーション(笑)。
スコットランドの電子音楽バンド、シェイメン。コイルみたいな絵から、何かがビキャビキャッて出てます。あ~、この人ビキャビキャした音楽好きなんだってわかる感じがいい(笑)。

PROFILE

Comi/滋賀県生まれ。20代前半から日本とNYを行き来し、2009年に〈エムワイオービー ニューヨークシティ〉を立ち上げる。ブランド休止後の20年秋冬より〈サイクル バイ エムワイオービー〉をスタート。サスティナブルを意識したストリートウェアを展開。
https://cycle-myob.com/
@cycle_by_myob
@comi_myob