The Favorites Forever
Mar 25, 2024 / FASHION
あの人のアイデンティティが表れた
ずっと手放せないファッション
スタイルのある女性が、昔も今もこれからも手放せないフォーエバーなものたち。そんなアイテムにこそ、トレンドに左右されないその人のアイデンティティが映し出されているはず。新連載第1回は、中田クルミさんに愛用し続けているバッグを紹介してもらった。
PHOTO_Yu Inohara
HAIR&MAKE UP_Chie Toyota
EDIT&TEXT_Yoshio Horikawa (PERK)
PROFILE
Kurumi Nakata
手に入れた当時のことを思い出せて
そんなストーリーも込みで愛着が増す
ずっと手放せないフォーエバーなアイテムとして、意外にも(?)バッグを紹介してくれた中田クルミさん。
「人から『なんでそんなにバッグ持ってるの?』と聞かれるくらいのバッグ持ちで。荷物の量やファッション、あとはその日に会う人に合わせて選んでいます。例えばファッション関係の人と会うんだったら、〈シャネル〉を持っていても嫌味に見えなさそうだなとか。Tシャツなんかは特にそうだと思うんですけど、ファッションって人との会話のきっかけになるじゃないですか。そうやってコミュニケーションの一環としてファッションを捉えている面もあるので、洋服を選ぶこととまったく同じ感覚で毎日バッグを選んでいますね」
また今回の企画で、服ではなくバッグを選んだ理由はほかにもある。
「ちょっとした偏見かもしれませんが、私が10代、20代前半の頃と比べて、今の若い人たちって貯金して憧れのものを手に入れるという習慣があまりないのかなと感じていて。あと何日アルバイトをすれば、あれが買える! っていう感覚。そういった点では、バッグがそれを象徴するアイテムなのかなと。やっと手に入ると思うと気分が高揚して楽しかったですし、買い物という経験を通じて自分の感性が養われたような気がしています。頑張って買ったものほど、年齢を重ねてからもその当時の自分のことやお店での情景なんかを思い出せて、そういったストーリーも込みで愛着が増す。頑張って働いたお金で、憧れのものを買うのはいいぞ! っていうことを少しでも伝えられたらいいですね」
ちなみにクルミさん、今回用意してくれたハイブランドのバッグや高校生の頃から愛用する〈グレゴリー〉のデイパックを含めて、優に20点を超えるバッグを自宅に所有しているそう。さすがにそれだけの数があると、収納が大変な気もするけれど……。
「棚にダダダダダッて立てて並べていて、毎朝洋服を選んでからそれに合うバッグを取り出しています。いい加減その棚もバッグでパンパンになってきたので、これからどう整理しようというのが目下の悩みの種です(笑)」