My culture_MUSIC
Dec 28, 2020 / CULTURE
常に人生の大切な瞬間と共にあった
30年以上愛され続ける国民的バンド
映画や音楽、本にアートといったカルチャーを、『PERK』が注目する映画や音楽、本にアートといったカルチャーを、『PERK』が注目するINDEPENDENT GIRLがリコメンド。今回は東京を拠点にモデルとして活動するカイノユウさんに、幼い頃から慣れ親しんできたという日本のロックバンド、スピッツの魅力を教えてもらった。
EDIT&TEXT_Yuka Muguruma(PERK)
PROFILE
YU KAINO
スピッツにハマったきっかけ
1989年の結成以来、多くの人に愛される国民的ロックバンドのスピッツ。音楽好きのカイノユウさんが、数多くのアーティストがいるなかから彼らをピックアップしたのはなぜか、その理由を尋ねた。
「普段は国内外問わず、ロックやパンクミュージックを聴いています。お気に入りのアーティストはたくさんいるけど、私の絶対的なルーツはスピッツ。彼らを初めて知ったのは、小学校高学年の頃でした。音楽の時間に『空も飛べるはず』を合唱したことをきっかけに一番仲の良かった幼馴染がスピッツにハマり、それに影響されたのが始まりです。彼女は本当に熱狂的なファンで、毎日のように彼らの話を聞かされて、新譜がリリースされるたびに貸してくれていました。最初は歌詞やメロディになんとなく惹かれていたのですが、その後徐々に熱を上げるようになり、2004年にリリースされたカップリング曲を中心としたアルバム『色色衣』を聴いて、コンセプチュアルな世界観に衝撃を受けたんです。ボーカルの草野マサムネさんの透き通るような歌声とオリジナリティ溢れるメロディがシンクロして、その美しさに惹き込まれました。当時はモーニング娘。やジャニーズなどのアイドルグループが人気で私も聴いていたけど、そういったヒットソングとはまた違う魅力を感じたんです。こんなにも自由に表現しているアーティストがいるんだと、音楽の新しい楽しみ方や奥深さに気付かせてくれましたね」
特に印象的なエピソードとアルバム
カイノさんの人生の傍らには、常にスピッツの存在があったという。特に印象深いエピソードやアルバムについて話してくれた。
「スピッツのナンバーはどれも素敵だけど、突き抜けて好きな一曲があるわけではなく、これまで印象に残っている思い出の傍らに、いつも彼らの存在があるんです。例えば、私にスピッツを教えてくれた幼馴染と一緒に初めてライブを観に行った時のこと。彼女とは小学校の卒業と同時に離ればなれになりましたが、中学の時に地元の文化会館にツアーでやって来ると聞いて私を誘ってくれたんです。そこで感じたライブならではの空気や高揚感も格別だったけど、それ以上に幼馴染の様子が忘れられなくて。大好きなバンドを初めて生で観られたことに感極まって、彼女は私の隣でずっと泣いていました。彼女にはこんなにも熱中できるものがあるんだ、それってすごくいいなとじんわり感動したのを覚えています。彼女とは今でもたまにライブを観に行く仲で、それぞれ別の道に進んでも、彼らが私たちを繋いでくれているように思います。あと、私と同じくスピッツが好きだった大学時代の彼氏の誕生日に、サプライズで大宮ソニックシティホールにライブに連れて行ったこともありました。この時会場で聴いた『大宮サンセット』を聴くと、当時の記憶が蘇ります。ちなみに、『三日月ロック』というアルバムのカバーガールに憧れていた18、19歳の頃は、Tシャツにデニムのスタイルを真似していました。気取らない雰囲気が素敵で、私もこんな女の子になりたいなぁと思っていて。改めて考えると、私の人生は常にスピッツの音楽と共にあったように感じます」
向上心を持って、長く愛されるモデルに
「スピッツはバラード調のナンバーも多いし、温かくて柔らかなイメージを持っている人も多いと思うけど、私は常に自分自身と戦うパンクな精神を宿したバンドだと思っていて。こんなにも長く愛されるバンドはなかなかいないですし、“らしさ”を残しつつも常に新しいものを生み出し続けるのは簡単にできることではないなと。この間、新譜を聴いていると昔の曲が懐かしくなって、何年も前のアルバムを出して聴き比べてみたんです。ベースとなる部分はもちろん変わっていないけど、今聴いても全く色褪せなくて。長きにわたって変わらず愛され続ける裏には、彼らの才能ももちろんだけど、きっとファンでさえ想像がつかないほどの苦労と努力もあるんだろうと思います。それと同時に、彼らを見ていると私自身もアップデートしていかねば! という気持ちになるんです。スピッツを聴いて、そこまで思う人はそういないと思いますが(笑)。当たり前のように楽しんで聴いていたバンドだけど、最近は色々と気付かされることが多いですね。私もスピッツのように向上心を忘れず、常に自分を高め続けていきたいですね」
“High&Low” by YU KAINO
— High —
年に数回の温泉旅行
— Low —
入浴剤
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