MY UNIFORM Vol.4
MILITARY ITEM
Jun Mikami / 〈Jun Mikami〉Director

Jun 28, 2022 / FASHION

“私らしさ”がビビッドに表れた
スタイルのある女性たちのユニフォーム

トレンドと程よい距離を保ちながらマイスタイルを楽しむ“INDEPENDENT GIRL”が、昔も今もずっと身につけている服。そんなユニフォームのような存在のアイテムは、彼女たちのセンスや気分、何よりファッションに対する愛に満ちている。連載第4回目は〈ジュン ミカミ〉のディレクター、三上 純さんが登場。ヴィンテージを中心としたミリタリーアイテムを紹介してもらった。

PHOTO_Haruki Matsui
FILM_Kei Doguchi
FILM EDIT_Kenta Ogo
EDIT&TEXT_Yoshio Horikawa(PERK)

SPECIAL THANKS_OZ VINTAGE @oz.vintage

MILITARY ITEM
Jun Mikami / 〈Jun Mikami〉Director

毎日着ているという意味では、
私のユニフォームであるのは間違いないですね。

 90年代の後半に、パリコレのバックステージや著名人の私服を紹介するファッション誌の企画で目にしたモデルのステラ・テナント。彼女が軍パンを腰ばきしていて、ものすごく素敵だったんですね。その姿に衝撃を受けて以来、「シカゴ」なんかで古着を買っては着ていました。昔も今も、年代とかどこの国のものとかは気にしていなくて。あまりというか、まったく(笑)。詳しい友人に後で聞けばいいやという甘えもあり、買う時は見た目だけで選んでいます。惹かれる理由として、ディテールの一つひとつに意味があるというか、私は飾りだと思っていても実は道具を引っかけるための仕様など何かしら用途があって、なおかつデザインとしてかっこいいという点がとても興味深いですよね。
 所有しているもので多いのは、やっぱりパンツですかね。本当に普段着というか作業着というか、ほぼ毎日軍パンをはいて過ごしているくらい。楽で丈夫なうえ、特にカーキやオリーブは合わせる服を選ばなくて懐の深い色ですよね。自分がデザインするうえでミリタリーウェアから着想を得ることはしばしばありますが、特定の型やディテールをストレートに取り入れるというわけではなくて。機能性を現代的に置き換えるなど、例えば今ってハイスペックな生地がたくさんありますし、ここがもっとこうだったら最高だよなというのをデザインに落とし込むように意識しています。今日はいているパンツも、まさにそうやって作ったものです。
 ミリタリーウェアは今でも着用頻度も高いですし、波はあるもののここ20年くらいずっと着続けています。毎日着ているという意味では、もう私のユニフォームであるのは間違いないですね。同時に、仕事のうえでの重要な参考資料でもありますから、実際に日々着用することでそのよさを検証しています(笑)。

USミリタリーのジャングルファティーグジャケットは、里見さんが青山の国連大学前でヴィンテージを販売していた頃に購入。60年代の前期のものだそうで、立体的でちょっと飛び出しているポケットが好きですね。全体的にはコンパクトなのにボリュームがあるという。
5、6年前に手に入れた〈ブルックス ブラザーズ〉のトレンチコート。私、身長があることもあって、よく見かける膝下丈ではなく、くるぶしくらいの長さのトレンチを探していた時にネットオークションで見つけて。本当にどうってことない感じで着ています(笑)。
コレクションを見ていて気になっていた〈アレキサンダー マックイーン〉のブーツは、今年の春先に購入。アッパーがレザーのショートタイプを買うつもりが、いざショップに行くとキャンバスとラバーのコンビのこっちに惹かれて。ワンピースに合わせたいですね。
今日はいているパンツの色違いで、来シーズンのもの。ポリエステル100%の生地をクシャッと握るとシワが固定されるというか、アルミホイルのような跡が残る面白い素材です。ウエストが二段階になっていて、ワンサイズだけどいろんな体型の人にはいてもらえます。
自分のブランドでミリタリーモチーフのパンツを作る前は、このM-65ばかりはいてました。丈夫でポケットが多いし、労働着として頼れる今でもお気に入りの一本です。
オフホワイトと黒の2トーンの〈アナトミカ〉のデッキシューズは、夏場にパンツの裾と靴の間から素足を見せてはくのがよさそうです。軍パンではなく、センタープレスが入ったスラックスに合わせるのが好きです。
2021年春夏にリリースした〈ジュン ミカミ〉のパンツです。ウエストが二段になっているのは来季のものと共通で、これは後ろに軍パンの布テープをイメージしたストラップが付いています。バイカーパンツも参考にしました。
大阪の「エッセンシャルストア」で買ったウエストポーチで、軍の放出品にはないハード過ぎないカモフラが気に入っています。サイズがちょっと大きくて、ピラティスに通う時に水とかいろいろ入れて持ち運ぶのに便利です。
「オズ ヴィンテージ」で買いました。キルティングパンツなどの上から重ねてはくオーバーパンツで、白は雪の日にはくスノーカモと呼ばれるものだそう。実際にはくかは別にして、所有しておきたかった唯一のアイテム。
黒のカシミヤは結構前に、ウールのブラウンは年明けに暇つぶしを兼ねて編んだ3本指のトリガーグローブ。つけたままスマホを操作できるよう初代の黒は人差し指に、2代目は親指にも穴を開けました(笑)。

PROFILE

三上 純 / 千葉県出身。2012年春夏より自身の名前を冠したブランドをスタート。ベーシックのひと言では片付けられない、女性らしいしなやかで凛としたムードを内包したコレクションを展開。以前から歴史ものが好きで、現在はNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を繰り返し観るほど。Spotifyで配信中のコテンラジオもお気に入り。

https://junmikami.com/
@jun_mikami_official
@jun__mikami

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