新店やポップアップストアの出店で賑わう今季。ここでは時を同じくしてリニューアルオープンした2店舗のディレクターやバイヤーが案内役となり、新しいショップの見どころや注目ブランドを伺いつつ、自身が購入した新作も紹介してもらった。続いての登場は、「インターナショナルギャラリー ビームス」ウィメンズディレクターの片桐恵利佳さん。

PHOTO_Haruki Matsui
MOVIE_Kei Doguchi, Kenta Ogo
EDIT&TEXT_Yoshio Horikawa（PERK）

光天井と木でラッピングされた
居心地のいいパブリックな空間

　もともと2階にあったウィメンズフロアを1階に移したのですが、見どころは貴重なバーチ材で以前のお店が基調としていたアールデコ調の意匠をラッピングしたデザイン。有機的な素材の木材をふんだんに用いて作られた新しいお店は、設計をお願いした「DAIKEI MILLS（ダイケイ・ミルズ）」の皆さんと共にビル群に突如現れた「中庭」をイメージしています。ファサードから店内にかけて続く面発光に変更した照明もポイントとし、空から降り注ぐ光線をイメージしています。明るい光と有機的な木材や石を用いた素材がレイヤードされた店内は、シンプルでミニマルですが、自然を想起させる穏やかな空気感に変化しています。通りから中に入った時の心地よさを、このコンパクトなスペースと細かいディテールで表現できたと思っています。ラインナップに関しては、レーベルがスタートした1981年から欠かせない〈ザ・ロウ〉や〈ラフ シモンズ〉といったコレクションブランドを軸に、国内外のインディペンデントもセレクトしています。今回のリニューアルと同じタイミングで新しいブランドの取り扱いも始めたので、ゆっくりとお楽しみいただきたいですね。

Featured Selection

Recommend Brand〈RAF SIMONS〉

〈ラフ シモンズ〉はウィメンズがローンチされた2021年春夏からの継続品番と、今シーズンの新作とをミックスしながらシーズンレスでご提案しています。サイズ感さえフィットすれば、男性の方にも着ていただけるものも多いですね。定番的なプロダクトの一つで、シーズンごとのグラフィックが魅力のモッズコートも1stコレクションのもの。首元がメッシュになったニットは今季のアイテムで、これからもいろいろと入ってくる予定です。

モッズコート¥209,550、ニット¥138,600

Exclusive Brand〈Les vacances d’Irina〉

ルーマニアのブカレストにあるアトリエで作られるインディペンデントなブランドで、立ち上げ当初から展開している〈レ ヴァカンス デ イリーナ〉です。彼女の持ち味はセーラーのデザイン。13オンスと15オンスのデッドストックのオーガニックデニムを使ったセーラージャケットは、お尻まで届くほどのたっぷりとした丈感が好評です。すごく名前の通ったブランドではないけれど、東欧の文化を感じていただける素敵なブランドです。

べルベット襟¥19,800、リジッドセーラーカラーブルゾン 13オンス¥74,800

Upcoming Brand〈SIBLING〉

〈シブリング〉はブルックリンを拠点に、古着のシャツに特化したアップサイクルのアイテムをリリースしています。廃棄処分に着眼し、スリフトなどでピックアップした古着を解体しては一から作り直すという非常に手間のかかることをしています。よく見ると片方のカフスが大きかったりするのもあって、すべてが一点もの。ちょうど4月14日（木）から40点近くのリメイクシャツを集めたポップアップを開催するので、ぜひご注目ください。

赤ストライプシャツ¥29,700