Wear the Perfume

MODE COMPASS
2023 Spring / Summer
NEW EXPRESSION Re-Edit

Mar 23, 2023 / FASHION / TIE UP

作り手の想いと共に楽しみたい
ディテールにこだわる
香りのスタイリング

ディテールの変化がカギとなった今シーズンのランウェイ。スタイリングの最後の仕上げとも言える香水、特に“ニッチフレグランス”は、香りだけでなく視覚や情緒といった細部にまで訴えかけるアートのようなもの。香りの持つストーリーを理解したうえで、自分らしさを開花させて。

PHOTO_Yoko Tagawa
EDIT&TEXT_Fuka Yoshizawa(PERK)

「ノーズショップ」代表
中森友喜さんに訊いた、
香りをまとうということ

無限の可能性が広がる、自己表現としての香り

 香ることでリフレッシュできたり昔の記憶が呼び起こされたり、私たちが日常的に取り入れている“香りをまとう”ことについてもっと深く知るべく、フレグランス専門店「ノーズショップ」代表の中森友喜さんにお話を伺った。「香りを感知するメカニズムは、記憶や感情と密接に結びついていることが最近の研究でわかってきました。だからこそ、まとうことでいい効果を得るには自らの嗅覚を信じることが大切です。自分がいいと判断した香りは、その人の感情や自己肯定感を高い状態に持って行く手助けをしてくれるはず」。気分を高めてくれるツールともなり得る香りは、日々のスタイリングにも共通する部分がありそうだ。「ファッションが自己表現の一つであるのなら、香水はそれを手助けしてくれる存在だと思います。特に“ニッチフレングランス”は、ボトルやイメージなどの視覚から得られるビジュアル情報、香水が持つテーマやストーリー、そして香りという3つの要素が美しく詩的に融合された、言わばアートです。これら香りの芸術をファッションというもう一つのアートと組み合わせれば、自己表現としては無限の可能性が広がることになるのではないでしょうか」。ブランドのバックボーンや調香師など作り手の豊かな創造性が凝縮されるなど、今季のテーマ“Craft Work Spirit”とも通じる“ニッチフレグランス”。ファッションをより深く楽しむために、PERKが気になるアイテムをセレクトした。

Vyrao

温かな樹木が癒しの世界へいざなう

ロンドンの〈バイラオ〉は、マスターパフューマリーとネガティブな要素を浄化するヒーリングを取り入れた世界初のウェルビーイングブランド。アイテムそれぞれに、エネルギーが注ぎ込まれたハーキマーダイヤモンドが配合されている。望むものをマグネットのように引き寄せてくれる「Magnetic 70」は、“ウッディーな波動 ”がテーマ。神秘的な香りをまとって運気を高めて。

Magnetic 70(50ml)¥26,400(バイラオ/リステア TEL_03-5413-3708)
@vyraoworld
@restirofficial

MURO SCENTS

北欧の情景を思い起こさせる自然な香り

オルタナティブカルチャーやファッションからインスピレーションを得るスウェーデン発の〈ムロセンツ〉。本質的な価値を追求すべく、すべての工程を自社で行う植物由来のフレグランスを展開。ロールオンタイプのフレグランスオイルは、北欧の光や夜明けの地平線など、美しい情景が浮かんでくるようなナチュラルなものばかり。体温で変化する香りがクセになる。

フレグランスオイル(左からNORDIC MUSK,BAKAI,KYARA,PALO 10ml)各¥6,050(ムロセンツ/ギークピクチュアズ TEL_03-6804-2381)
@muroscents_jp

Mendittorosa

意志が込められた香りに自信が溢れる

“香りを通して魂に触れる”というコンセプトのもと、嗅覚だけでなく視覚にも訴えかけるように、イタリアの職人が手作業でボトルデザインを生み出す〈メンデットローザ〉。「タレント(才能)」と名付けられたこちらは、大切にされれば花開き、人生を豊かにしてくれるのが才能であることを示すように、ミントの爽やかさから花や土といった魅惑的な香りへと徐々に変化する。

タレント|才能(100ml)¥57,200(メンデットローザ/ノーズショップ TEL_050-2018-6146)
@mendittorosa_odori_talismans
@noseshop.jp

THOUSAND COLOURS

1000年先の未来を見つめた希望の香り

〈トバリ〉と〈ザ パブリック オーガニック〉から生まれた新ブランド〈サウザンドカラーズ〉。“希望を生み出す”ことをコンセプトとし、機能的な成分を配合したり売上の5%を一人ひとりが選択した活動先へ支援できたり、興味深い取り組みにも注目が集まる。「アナザープラネット」は“未来の宇宙飛行士 ”をイメージした香り。好奇心が湧き立つようなフレッシュな気持ちに包まれる。

M2472 アナザープラネット オードパルファン(25ml)¥9,350(サウザンドカラーズ/カラーズ TEL_050-3786-2888)
@thousandcoloursofficial

ORMAIE

のんびりとした夏の日を思うフレッシュさ

香水コンサルタントとしての経歴を持つ母と、その息子 が立ち上げたフランスの〈オルメ〉。開発までに2年の 歳月を経てようやく完成した、100%天然成分のヴィー ガンフレグランスをラインナップ。アイコニックなボトル キャップは、再生可能なブナ材を使いすべて手作業で 磨かれている。朗らかな夏の日を連想させる「28°」は、 甘さのなかにシトラスの香りがふわりと感じられる。

28ディグリーズ(50ml)¥20,900(オルメ/トゥモローランド 渋谷本店 TEL_03-5774-1711)
@ormaieparis
@tomorrowland_shibuya 

Unum

破壊のなかで見つけ出した僅かな希望

画家や写真家、音楽家といった多くの肩書きを持つフィリッポ・ソルチネッリによる〈ウナム〉。「人生そのものと精神性をありのまま表現したい」と話すように、作品タイトルがどれもユニークなのが特徴。「エピチェントロ(震源)」は、2016年イタリア中部地震で被災した街に捧げていて、重厚感が漂う神聖な香り。どこか静謐な場所へ出かける時や集中したい時にまといたい。

エピチェントロ|震源(100ml)¥55,000(ウナム/ノーズショップ TEL_050-2018-6146)
@noseshop.jp

Related Content

NEW HAIR DESIGN DERIVED from THE RUNWAY
REVIVAL ITEMS IN MODERN STYLE