The Favorites Forever
Apr 25, 2024 / FASHION
あの人のアイデンティティが表れた
ずっと手放せないファッション
スタイルのある女性が、昔も今もこれからも手放せないフォーエバーなアイテム。そんなものにこそ、トレンドに流されない彼女たちのアイデンティティが表れているはず。連載第2回目は、「6」のディレクター吉田恵理子さんに「素になれる等身大のような服」というスウェットを紹介してもらった。
PHOTO_Yu Inohara
EDIT&TEXT_Yoshio Horikawa (PERK)
PROFILE
Eriko Yoshida
年齢と共に捉え方は変われども
ずっと身近にある存在
“SPORTS” “MILITARY” “ETHNIC” “MARINE” “WORK” “SCHOOL”の6つのエレメントをベースに、違いのわかる大人女性のためのカジュアルスタイルを提案する「6」。そんなショップのディレクターを務めるだけあって、これまで星の数ほどの服に袖を通し、マイスタイルを楽しんでこられたことは容易に想像できるけれど、今回吉田さんが用意してくれたのはヴィンテージを中心としたスウェットたち。
「日々のスタイルにずっと組み込まれていますね。長らく古着を買い続けてきて、クローゼットがパンパンでもスウェットだけは絶対に手放せなくて。10代の頃は渋カジブーム全盛期で、アメリカのカルチャーを着るようなイメージでカレッジモノから入りました。そこから「UA原宿本店」で働いていた20代に〈マルタン マルジェラ〉などのデザイナーズクローズと出合ったんですけど、どうもリアリティに欠けるというか、なかなか自分のものにできないみたいなところがあったんです。そこでモードの服を上手く中和してくれて、自分自身を表現できる服としてスウェットをよく組み合わせていました。30代は子育てしていたこともあって、ヘビーデューティな道具として考えていて。そういうふうに歳を重ねるごとにスウェットの捉え方は変わってきたものの、ずっと身近な存在であることには変わりないですね」
現在はこれまでに知り得た深くて広い情報と、今の気分が落とし込まれたスタイリングの感覚、その両方のバランスを取りながらスウェットに向き合いたいという。