The Favorites Forever

#11 和井田多佳/
〈ジェーン スミス〉デザイナー

Jan 27, 2025 / FASHION

あの人のアイデンティティが表れた
ずっと手放せないファッション

もっと自分のものにしたい気持ちがあるから、
これからも好きでい続けられる

 好きというシンプルな理由以外に、理想の女性像を思い描きながらレザーアイテムを愛用する和井田さん。当然、自身が手がける〈ジェーン スミス〉でもレザーは特別な存在で、ブランドのアイデンティティを確立するうえで不可欠だという。
「ジャケットはもちろん、パンツにスカート、ベルトや小物ケースと、ほぼ毎シーズン何かしらのレザーアイテムを作っています。レザーの魅力だったりスタイリングだったりを、ブランドを通して提案していけたらいいですね。私たちのブランドに20代のスタッフがいるんですけど、彼女が今季の〈ジェーン スミス〉のレザージャケットを着ていて。世代は違うけれど、いわゆる質のよいアイテムにトライしている姿を見るとこっちまで嬉しくなります」
 レザーアイテムは値が張ることもあるだけに、だからこそ手に入れた時の高揚感は何ものにも代え難く、それをいかに長く着るか、いかに着こなすかについて思いを巡らせる時間すらも愛おしくなる。長きにわたってレザーアイテムに親しんできた和井田さんにとって、あらためてどんな存在なのかを聞いた。
「やっぱり、こうありたいと思う自分を後押ししてくれるもの。アートピースと言うと少し大袈裟かもしれないですけど、それでも所有しているだけで気分が上がるアイテムではありますね。確かにバッグや靴に比べるとレザーの服は着こなしのハードルが高いのは理解していて、私自身も未だに追いかけている最中。手に入れたようでいて手に入れてないというか、もっと自分のものにしたいなって。その気持ちがあるから、これからも好きでい続けられるんだと思います」

TFF 5/8

つい手に入れたくなるソリッドで小ぶりなバッグ
〈ザ ロウ〉のハンドバッグ「ソフィア」。もともとワンハンドルタイプのかちっとした堅めのバッグが好きで、つい似たようなものを買ってしまうクセがあるそう。「王道ブランドのクラシックなバッグもいいんですけど、年齢を重ねていくうちにこういうモダンな方が今の気分に合っているなと」。荷物が少ないオフの日、それにシンプルなコーディネートの時や着物に合わせて持つことも。

TFF 6/8

スエード特有の毛羽立った質感に惹かれる
G-1フライトジャケット同様、こちらもご主人が愛用していたヴィンテージのスエードジャケット。’70年代に生産された〈リーバイス〉の“ビッグE”の3rdタイプで、経年変化による色ムラや毛羽立った質感がかっこいい。「既製品ではマネできない風合いが魅力ですよね。スラックスなどメンズ由来のパンツが好きなので、そういうハンサムな感じのボトムを合わせています」

TFF 7/8

汎用性の高いコーディネートの名脇役
渋谷にある「フックドヴィンテージ」で手に入れたデッドストックのビスチェ。「ビスチェ自体が好きで、ちょうど白を探している時にたまたま出合って。白シャツや白いスウェットに合わせて、マテリアル違いのワントーンスタイルを楽しんでいます。あとはTシャツの上から重ねたりジャケットの中に差したり、何かと合わせやすくポイントになります」

TFF 8/8

素材違いのワントーンコーディネートのポイントに
アメリカの老舗ブランド〈ノコナブーツ〉のウエスタンブーツは、海外のヴィンテージショップで購入。「もうちょっとモダンにアレンジされているウエスタンブーツも持っていますけど、これはいわゆる本気系(笑)。同じくワントーンで素材違いのコーディネートの時に、ハズしというかちょっとしたポイントとして選ぶことが多いかな」

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