That girl with a
“STREET MIND”vibe
Oct 30, 2026 / BEAUTY
イットなヘアスタイリストに、 秋のシーズンテーマ“STREET MIND”なムードを纏い、自由な反骨心を併せ持った女性像をオーダー。完成までのメイキングを一部始終密着し、9月から12月までに渡ってランダムにお届け。秋のムード第二弾は、「myak(ミャク)」マネージャー、ヘアスタイリストの正村優佳さん。エフォートレスな色気と、芯のあるモードなムードを併せ持つ彼女のスタイルは、見る人々を自然と惹き込み、目を離せなくさせるような魅惑的な引力さえ感じる。ラフな佇まいに、静かな色気を宿す彼女が作る女性像はある本との出合いをきっかけに創り出されていた📚💭
HAIR&MAKE-UP&PHOTO_Yuuka Masamura(myak)
TEXT&EDIT_Mizumo Uehara(PERK)


PROFILE
正村優佳/「myak」マネージャー、ヘアスタイリスト
表参道のサロンで約10年間スタイリストとして経験を積み、店長に就任。2026年8月にオープンした「myak」では、マネージャーとして店舗運営を担う。店名の「myak」は、連なり支え合う山脈、ものづくりや人を育む原点、生命を巡る血流、そして何より大切にしている人とのつながりを意味する“脈”に由来する。最近はカメラを片手に、何気ない日常のなかで心がときめいた瞬間を切り取ったり、陶芸に没頭したりと、一人の時間を思い思いに楽しんでいるそう🌿🌞


“STREET MIND”
「以前から『PERK』を読んでいたので、“STREET MIND”が持つメンズライクな感覚や、ストリートを原点とする考え方は知っていました。今のストリートスタイルって、スニーカーやニットキャップ、ゆったりとしたシルエットなど、カジュアルなものが定番になっていると思うんです。だからこそ、これからのストリートって何だろう? と考えたときに、1950年代のイギリスに存在した『TEDDY GIRLS』が浮かびました。メンズライクな装いのなかに、どこかクラシカルなエレガンスがあって、反骨精神や自分らしい強さを感じる。そんな彼女たちのマインドを、今の時代に落とし込んでみたいと思いました」。サロンのムードを映し出すかのように、大きな本棚には洋書や小説がずらりと並ぶ。今回、優佳さんが“STREET MIND”を紐解くきっかけに選んだ『TEDDY GIRLS』は、個人的にも興味を惹かれた一冊。当時の時代背景やカルチャーを丁寧に汲み取りながら、現代の感性と重ね合わせることで、懐かしさと新しさが共存する女性像を描き出してくれた。


男性のスタイルを単に模倣するのではなく、自分たちらしい着こなしをつくり上げた存在としても知られている💭


「ヘアスタイルは、“TEDDY GIRLS”に見られるリーゼントやボリュームのあるカールヘアから着想を得ています。耳まわりはタイトに抑え、トップにはリーゼントのような立体感をプラス。ただ、そのまま再現するのではなく、やりすぎないことも大切にしていて。街にも自然と馴染むような、現代的な“TEDDY GIRLS”のヘアスタイルに落とし込んでみました。“TEDDY GIRLS”は、テーラードジャケットなど、メンズライクなシルエットを取り入れている人が多いので、今回のスタイリングにもその要素を加えました。全体のトーンは統一したかったのですが、黒だと少しモードに寄りすぎてしまうので、やわらかさも感じられるグレーをセレクト。ジャケットに腰巻きのアレンジを加えることで、クラシカルな雰囲気を残しながら、今っぽいストリート感を演出しました」。ハンサムさとフェミニニティの絶妙なバランスが光るリーゼントスタイル。太さの異なる2種類のヘアアイロンを使い分けることで、立体的なボリュームと奥行きを生み出し、凛々しさのなかにもさりげなくレディライクなニュアンスを漂わせる。腰巻きのスタイリングには現代のトレンドも巧みに落とし込み、今秋のワードローブに取り入れたくなるような、鮮度の高いルックへと昇華してくれた。




「メイクは、モデルさんが持つ魅力を消さず、もともとの骨格や雰囲気を引き立てることを意識しました。血色感を強く出しすぎると、ガーリーな印象になってしまうので、リップは赤みを抑えたブラウンに。個人的に艶っぽいハイライトが好きなので、骨格が際立つように光を重ねています。少年っぽさもありながら、どこか女性らしい。そんなバランスを大切にしました」モデル本来の個性も活かしながら、少年のような無垢さと女性らしい色香を共存させる。その絶妙なバランスに優佳さんならではの美意識が光っているように感じました。


「ライターをしながら油絵も描かれているお客様が、私が髪を切っている姿を見て『楽しい』と表現してくださったんです。そして、私を表す本として教えてくれたのが『TEDDY GIRLS』でした。自分では意識していなかった部分を、誰かが見つけてくれたことがすごく嬉しくて。今回の作品では、彼女たちが持つ反骨精神や強さを、女性らしさと掛け合わせて表現してみました。8月に新しい環境でスタートしてから2か月以上が経ちましたが、あのとき言っていただいた『楽しい』という言葉を忘れずにいたい。美容師としての原点でもあるその気持ちは、これからもずっと大切にしていきたいと思っています。私にとって大切なのは、人とのつながりです。美容師として最初に学ぶことって、技術だけではなく接客であり、人と人との向き合い方だと思うんです。何かをつくることも、誰かに見てもらったり、誰かのために施したりすること。振り返ると、私はずっと周りの人に助けられてきたし、本当に運にも恵まれてきたなと思います。だからこそ、今度は私が誰かに何かを与えられる存在になりたい。これまでいただいたものを、自分なりの形で返していけたらいいなと思っています」。優佳さんの思う“STREET MIND”のムードを、一冊の写真集『TEDDY GIRLS』とリンクさせながら表現してくれた。彼女の言葉に耳を傾けるうちに、そこに描かれた女性像は、まるで彼女自身を映し出しているかのように感じた。どんな逆境にも臆せず立ち向かう反骨精神と、あらゆる価値観を受け入れる懐の深さ。相反するようでいて共存する、その強さとしなやかさこそが、彼女から目が離せない理由なのかもしれない。
