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Sep 29, 2020 / CULTURE
日々をより大切に過ごしたくなる
イギリスのロマンスコメディ
『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』Blu-ray: ¥1,886+税/DVD: ¥1,429+税(発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント)※ 2020年9月の情報です。
監督/リチャード・カーティス 出演/ドーナル・グリーソン、レイチェル・アクアダムス他
タイムトラベルを繰り返す青年が、本当の愛や幸せとは何かに気付いていく姿を描いた恋愛SF映画。イギリスに住む青年ティムは、21歳の誕生日に遺伝により受け継がれる自身の能力のことを父親から知らされ、以来ガールフレンドを得るためタイムトラベルを繰り返す。やがて魅力的な女性メアリーと出会った彼は、何度も能力を使って彼女の愛を勝ち得るが……。
映画や音楽、本にアートといったカルチャーを、『PERK』が注目するINDEPENDENT GIRLがリコメンド。今回はセレクトショップの御三家の一つとしても知られる[シップス]でプレスを務める半田麗さんに、慌ただしい毎日に彩りを与えてくれるハートウォーミングな映画を紹介してもらいました。
EDIT&TEXT_Yuka Muguruma(PERK)
PROFILE
REI HANDA
毎日大事に生きようと思わせてくれる作品
「2013年の公開当初に映画館で観て以来、何度も観返している大好きな作品です。当時上京したばかりだったこともあり、日々の生活や仕事に慣れるのに精一杯でした。そんな時、もっと毎日を大切にしなきゃと思わせてくれたのがこの映画。特に派手なアクションや衝撃的なエンディングがあるわけではないけれど、主人公のまっすぐな愛情や人として成長していく姿を見ていると、ほっこりとした気持ちになれるんです。最近忙しさにかまけて丁寧に過ごせていないなぁと感じた時に観るようにしています」
特に印象に残っているシーン
タイムトラベルができる主人公ティムの恋愛模様、そしてメアリーとの結婚生活を描いたこのタイトルは、当たり前の日常をユーモラスな視点で切り取ったハートウォーミングなラブコメディ。繰り返し観ているという半田さんに、特に印象的なシーンを教えてもらった。
「最も好きなのは、ティムが病を患った父親と一緒に幼少時代に戻って浜辺を散歩するシーンです。この場面を観ると、何気なく生きている一瞬一瞬がかけがえのない時間なんだということをしみじみ感じます。当たり前の日常こそ、大切にしなきゃいけないんだなと。もう一つ印象的なのは、ティムとメアリーのガーデンウェデングのシーン。その日はあいにく大嵐で、自分たちも招待客もびしょ濡れになりながら式を挙げる。天候は最悪だけど2人はずっと笑っていて、ティムもこれまでと違って時間を戻さない。どんなに恵まれない天候であっても、彼らにとっては幸せな瞬間だったんでしょうね。観ていて心が温かくなりました。最初の頃のティムはメアリーを手に入れるため、些細な失敗をするたびに時を戻していたんです。だけど彼女と出会い、結婚して家庭を築いていくなかで、少しずつ能力の使い方が変わっていく。苦しみや悲しみを乗り越えながら、当たり前に過ごす毎日の素晴らしさに気付いていくんです。その過程を観ていると、私も一日一日を大事に生きようという気持ちになれます」
メアリーのファッションにも注目
さらに半田さんは、ほんのりヴィンテージライクなメアリーのファッションにも注目してほしいと話す。
「ストーリーももちろん魅力的ですが、作中のお洋服もとっても可愛いんです。メアリーはことあるごとに、ヴィンテージ風のワンピースを着ていて。ちょっと素朴で古めかしいんだけど、そこが彼女の愛らしいキャラクターにマッチしているんです。ティムとの最初のデートで着ていたワンピースも素敵だったな。でもやっぱり一番は、結婚式で着ていた真っ赤なウェディングドレス。結婚式は白という概念があるけれど、インパクトのある赤もいいなと思いました。このドレス姿は映画のメインビジュアルにも使われていて。メアリーの幸せそうな笑顔も相まって、最高にキュートでした」
最後に、もし自分にタイムトラベルができるとするならば、いつの時代に戻りたいかを聞いた。
「私は本当に周りに恵まれていて。常に自分のやりたいことにも挑戦してこられたから、過去に戻ってやり直したいと思うことは正直あまりなくて。だけどもし戻ることができるなら、アパレルのプレス以外の仕事をしてみたい。学生時代にタイムトラベルして、新たな自分の可能性を模索してみたいですね。今は新ブランドのPRを担当していることもあって、毎日がとても新鮮で。30歳という節目を迎えたばかりなので、身の回りのことを整えつつ、ティムのように当たり前の毎日を大切にすることを忘れずに過ごしていきたいです」
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