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[CITYSHOP]Concepter/Buyer
KUMIKO KATAYAMA

October 15, 2020 / FASHION

愛すべき“my”レコメンドカルチャー

“好きなもの”を手にした瞬間、誰しも心が躍るはず。
トレードマークのような存在のワンピース、
バイイングの思い出が詰まったアクセサリー、
自身のカルチャーと共に歩んだスニーカー、
感性を刺激してくれるヴィンテージ小物。
ファッションフリークのあの人が集めてきた、
自分だけの偏愛コレクション。

PHOTO_Shinsaku Yasujima
TEXT_Yoshio Horikawa(PERK)
EDIT_Hitomi Teraoka(PERK)

COLLECTION_JEWELRY

ジュエリーは、その時々のストーリーを
鮮明に思い出させてくれる。
身体の一部のように大切に身につけています。

PROFILE

KUMIKO KATAYAMA

片山久美子
「CITYSHOP」コンセプター、バイヤー。半年に一度の買い付けでは、ニューヨーク・パリ・ロンドンのほか、メキシコやトルコ、ペルーといった辺境の地へも飛び回り、その圧倒的なバイタリティと確かなセンスで企画やディレクションも手がけるなど活躍の幅を広げている。現在はモロッコやウズベキスタンに興味津々。海外でのバイイングを控える今も、常に感性に響くアイテムを求め続けている。
Instagram_@lacasita522

――ズラっと台の上にジュエリーを並べていただいたのですが、すごい数のコレクションですね。ジュエリーを集め始めたのはいつ頃からですか?

別のセレクトショップに勤めていた頃からなので、20年ほど経ちますね。収集してきたというよりも、私の20年の歴史というか自分自身の美意識が形成されたルーツ、ファッションの変遷みたいな感じです(笑)。若い頃はモードなファッションをしていたこともあり、存在感のある石やゴールドのチェーン、ボリュームのあるジュエリーなどが好みでしたが、今は[シティショップ]でいろんな国に行かせてもらうようになったこともあり、そこで出合ったものたちを手に取ることが多いです。このビーズのジュエリーやファブリックはペルー、こっちの貴石はトルコと、国や地域でジュエリーの特色があって、何でもかんでもではなく、今の自分のアンテナで美しいと思ったものを買い付けたり身につけたりしています。

――買い付けではさまざまなジュエリーに出合う機会があると思うのですが、片山さん自身はどういったジュエリーに惹かれますか?

洋服もそうですがヴィンテージが好きなので、一点ものとかに惹かれますね。出合ったら手に取ってしまうのですが、これだけの数があってもデザイナーさんや街のジュエリー屋さんとのやり取りまで、その時々のストーリーを鮮明に思い出せるんですよ。あとは、洋服との違いって毎日つけることができるかどうかというところもあるので、例えば細いネックレスであれば、シャワーを浴びる時も寝る時もつけていられる、そういう身体の一部のようにジュエリーを身につける感覚も好きです。

――すごくわかります。その日に身につけるものはのようにているですか?

元気がほしい時は大事な友達がつくってくれたもの、気合いを入れたい時はヴィンテージの「ジバンシィ」とか印象の強いものをつけたり。一度ハマったら一ヶ月くらい同じものをつけ続けることもあるんですけど、それでも私のなかでちゃんと周期みたいなものがあるんです。あとは、洋服のモードに合わせてシルバーをつけたいとかゴールドをつけたいとか考えてみたり、足し算引き算をしながら決めています。

――ちなみに、今の気分やモードは何ですか?

今は引き算している時期ですかね。派手な服を一点選んだら、あとはきちんとした大人でいられるようなオーセンティックなもの。ソフィスティケイティッドな服を合わせたいので、そこにシルバーを加えて、あまりごちゃごちゃさせないのが気分です。あとはネックレスの重ねづけをしたいモードが15年ぶりくらいにきているので、短いものと長いものの重ねづけを楽しんでいます。

――なるほど。それにしてもバリエーションが豊富で、気になるものがありすぎます(笑)。

(笑)。モロッコにある[イブ・サンローラン美術館]のお土産から台湾の友人のお店で買ったもの、ヴィンテージの「ジバンシィ」に、ニューメキシコで買ったスヌーピーのシルバーリング、ポーセリンのもの、母から譲り受けたものまで、素材もストーリーもいろいろなものがあります。

――お母様から受け継いだものなども、素敵ですね。

洋服にしてもジュエリーにしても、割と派手なものや個性的なものが多いので、トレンディなムードに比重を置いている人、店という風に見られがちなのですが、それはあくまでひとつのパートであって、昔から受け継がれて変わらない価値の美しさやオーセンティックなものが結構好きで。そういうものを、いかにコンテンポラリーでモードにスタイリングするか考えています。

――買い付けの際にも意識されている点ですか?

そうですね。ジュエリーに限らず、1シーズンでいらなくなるものはもう仕入れなくなっていて。昔も今もトレンドは絶対にあるんですけど、半年後、1年後、3年後、5年後、その時々の気分に合わせてちょっとスタイリングを変えるだけで、同じものでも違った雰囲気でまとえると思うので。私自身、15年以上前とかに買ったものだったり、今は着用する機会が少なくなったりしたものでも、大事な存在であることに変わりはないですね。

――そうなんですね。バイイングに行かれる際は、その土地のフォークアートなども調べて行かれるんですか?

そうですね。ある程度の当たりをつけながらの部分もありますが、知り合いの方や協力してくれる方を探して、あとは出たとこ勝負みたいな感じですかね。マーケットなどカオス的なところから宝物を見つけることが結構得意なんです。

――洋服とジュエリーでは、バイイングの際の意識も変わってくるのですか?

洋服のバイイングもずっとさせていただいているんですけど、ジュエリーに関してはさらに自由度が増す感覚ですね。派手な洋服を着ない方でもイヤリングやブレスレット、リングはパーツが小さいので、インパクトがあるものをつけてもその方のいつものスタイルに馴染むんです。冒険しやすいんですよね、ジュエリーって。色やデザインなど主張のあるものをお店に入れることでお客様にも喜んでいただけることが多くて、私自身もジュエリーのバイイングが一層好きになりました。

「奥に並んだブレスレットは、私のファッション業界歩み始めラインナップ。22、23歳の頃に購入したものなのですが、当時はモードなスタイルだったので、強めのコーデにガシッ! ジャラッ! みたいな感じでこのコスチュームジュエリーをつけていました。若い時に身に着けていたものってスタイルのベースになると思うのですが、10何年も前のことだけど……すごいですよね(笑)。今はもう少し、[シティショップ]のディレクション的にも引き算を大事にして、ミニマルなところに強さを足すような軽やかなバランスになったかなと思います。あと、この中の『ケネスジェイレーン』というNY生まれのブランドを、15年経ってまた身につけたいと思い、来シーズンに向けてバイイングしました。当時素敵だと思っていたジュエリーを、今[シティショップ]のフィルターを通して表現できるのはうれしいですね。カエルは結婚指輪入れ。手前は、『エリクソン・ビーモン』というNYのブランドで結婚式でつけたものです。懐かしいものシリーズですね」

「これらは私の大好きな親友たちがデザインしているジュエリーたち。ブレスレット2つは『サヤカデイヴィス』、あとは『アフター シェイブ クラブ』のもので、2人ともNYに住んでいます。『サヤカデイヴィス』は余白の美というか、ミニマルなんだけど静かな存在感があって、彼女自身の意志の強さが表れています。『アフター シェイブ クラブ』は、長さを調整してもらうなど希望を叶えてもらっていて、だからこそ普段身につけることが多い子たちですね。毎日つけられて、かつスタイリングの最後の締めになる静かな存在感が好きです。壺のチャームはオーダーしたもので、壺好きなので(笑)。でも、ただギャグで楽しめればいいと思ってるわけではなくて、真剣におばあちゃんになるまでつけたいと思って。今年はNYへは行けないので、会えない友達にこれを通して会っているような、ちょっと嫌なことがあった日とかには触ったりして、日々パワーをもらっている気がします」

「まだお客様も私自身も見たことのない美しさを探しに行く『シティショップファインズ』という企画を行っているのですが、これはその時に買い付けをしたもの。アメリカ中央部のニューメキシコのシリーズ、シルバーの透明ビーズとアルパカの毛でモダンに仕上げたペルーのビーズジュエリー、トルコで買い付けたブレスレットはアジアンテイストも入ったファブリックがすごく素敵で、ほかの国では見つからないと確信した逸品です。これがこの市場にあったら雑多の中のひとつのパーツだけど、この子を切り出して[シティショップ]に置いたら、違う美しさや見え感があるなという目線を常に持つようにしているのと、その土地で何十年何百年も続いている文化を少しおすそ分けしてもらう感覚でバイイングをさせてもらっています。現地のものを『こちらになります』ってただお店に並べるだけだとどうしてもお土産屋さんぽくなってしまうので、いかに[シティショップ]らしく都会的に編集しようかと考えを巡らせながらいつも選ぶようにしています」

「私の尊敬している友人が大阪で[ポート]というお店をやっていて、チェーンと大きなハートモチーフはそこで購入したヴィンテージの『ジバンシィ』です。大事な商談がある日に自分を鼓舞するためにつけたり、ゆるっとした格好の時に強さを出したりも。ガラスのハートのチャームも[ポート]で買ったもの。家にあったウズベキスタンのヴィンテージのシルバーチェーンと合わせてみました。ガラスの儚い感じにメタルの強さというコントラストと、長いチェーンなのでハートの位置がすごく下の位置になるおかしなバランスもいい。赤い石のついたハートのネックレスは、『モンドモンド』というブランドのもの。チェーンがすごく長いデザインなのですが、私、極端に長いデザインがすごく好きで、もちろんチェーンを二重にしてつけてもいいし、斜めがけにしても可愛い! ショールームでこれをつくっている方に会ったときは感動しすぎて、『もうホント天才! ありがとう!』ってデザイナーさんに抱きつきました(笑)」

「『シャーロット シェネ』のイヤーカフは、ずっと憧れていたブランド。高級ではあるんですけど、カジュアルなスタイルに気負うことなくつけられます。Tシャツやデニムに合わせても、顔まわりに凛とした美しさが生まれたりして、ブランド自体にそういう力があるんだなって思います。ほかのジュエリーにこれが合わさるだけで、全く違った視覚効果とでも言うのか、それまで自分が身につけていたものが急に新しい印象に見えるほどです」

Column_VASE

その土地柄、作家の違いが魅力
国内外の作品を巡りつつ壺の虜に

「母が生け花の先生や陶芸をしていたこともあって、壺は幼い頃から身近な存在で、ずっと興味のある対象のひとつ。うちのショップの世界観を構築するのに壺に力を貸してもらうことも多々あり、海外でも日本でも探すように。自宅ではリビングの目立つところに置いていて、眺めていると穏やかな気持ちになります。写真の左に写っている壺は岐阜県多治見市にある[大河内古美術店]で購入した、立派な松が3本異なる色合いで描かれた鈴木青々氏の美しい瀬戸焼です。値段ではなく、ものにまつわるストーリーを含めどんな価値を持っているのか。そんな自分にとっての“特別”をセレクトし、お客様にご提案できたらと思います」

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