That girl with a
“STREET MIND”vibe

Vol.1 HIKARU

Oct 09, 2026 / BEAUTY

イットなヘアスタイリストに、 秋のシーズンテーマ“STREET MIND”なムードを纏い、自由な反骨心を併せ持った女性像をオーダー。完成までのメイキングを一部始終密着し、9月から12月までに渡ってランダムにお届け。秋のムードのスタートを切ってくれたのは、「RUNO」のスタイリストHIKARUさん。彼女が作り出す女性には共通して“憧れ”というキーワードが浮かんできた。“STREET MIND”のムードの中にも、HIKARUさんらしいポイントがいくつも隠れていて、「自分の分身を作り出す感覚で形作る」と話していたことに納得。憧れと自身の感性で紡ぐ、力強さとやわらかさが融合した新たな女性像をご覧あれ🪄

HAIR&MAKE-UP&PHOTO_HIKARU(RUNO)
TEXT&EDIT_Mizumo Uehara(PERK)

PROFILE
HIKARU/「RUNO」ヘアスタイリスト

都内サロン2店舗を経験し、約10年前にオープンして間もない「RUNO」に入社。入社当時のビジュアル作品を見て、感銘を受けたことがきっかけだそう。その時の衝撃を10年経った今も忘れずに、自身の作品作りにも落とし込んでいる。映画を見たり、音楽を聴くことが趣味。特に昔の映画とドラマが大好きでなかでも『Over Time』の世界観に没頭しているとのこと。主人公も美容師ということもあり、昔の個性が生かされているファッションや髪型を参考にしている📽️💛

“STREET MIND”

 「“STREET MIND”と聞いてまず思い浮かんだのは、“かっこいい”カルチャーを知っている人。昔のものを知っているからこそ、新しいもののよさもわかる。どこか“温故知新”のようなマインドを感じました。私自身かわいいものが好きだけど、それだけでまとめるよりも、スニーカーを合わせたり、ダメージのあるものを取り入れたり、どこかにストリートの要素を入れて少し外すのが好き。本当におしゃれな人って、そういう“外せるポイント”を持っている気がします」。HIKARUさんが思い描いたのは、ただストリートな服を纏う女性ではなく、自分の“好き”を知り、それを自分らしく着崩せる人。そのイメージは今回のモデルだけに向けられたものではなく、彼女自身のスタイルとも自然に重なっていた。

 「今回は、今の自分が着たいもの、好きなものをそのままモデルさんにも取り入れたいと思いました。白や黄色、茶色の組み合わせが今すごく好きで。そこにスニーカーや黄色のメガネを合わせています。自分が好きなものだからこそ、作品にも落とし込みやすいんですよね」。言うなれば、今回の彼女は“HIKARUさんの分身”のような存在。誰かになるために着飾るのではなく、好きな色、好きなバランス、好きなカルチャーを素直に纏う。その自由さこそが、彼女の考える“STREET MIND”なのかもしれない。

 ヘアは、モデルがもともと持っている癖を活かしながらも、つくり込みすぎない自然なカールに仕上げてくれた。顔まわりや前髪にはあえて癖を残し、前髪は少しだけ切ってオン眉に整えた。「前髪や顔まわりは、ヘアを作るうえですごく大事にしています。私自身も2年くらい短い前髪を続けているんですけど、髪が長いぶん、前髪を短くすると全体のバランスが取りやすくて。アレンジも、きっちりしたものより“ほどけそう”なくらいのゆるさが好き。今起きてそのまま来た! みたいなのに、なんか似合ってるよね、くらいの自然さに惹かれます」。無造作に揺れるカールも、少し短い前髪も、すべてを完璧に整えない。その“隙”が彼女自身の個性を引き立てる。メイクも同じく、足すよりもその人がもともと持っているものを活かす方向へ。目元や眉にはほとんど手を加えず、素肌のニュアンスを残したまま、目の下から鼻にかけてオレンジコーラルのチークを広げ、リップも同系色で統一した。「もともと眉や目元がしっかりしているので、そこは何もしなくてもいいなと思いました。私は結構、引き算しすぎちゃうくらいなんです(笑)。でも、その人の個性を活かす方向のほうが素敵だと思っていて」。作り込んだ“かわいい”ではなく、その人にすでにある魅力を見つけて、ほんの少しだけ手を加える。“自然体なのに、なぜか目に留まる”。そんな女性像が、HIKARUさんらしいヘアとメイクによって浮かび上がった。

 今回、キーワードとなったのが“憧れがつないでいくもの”。HIKARUさんにとって“STREET MIND”は、ファッションだけを指す言葉ではない。「美容師になったのも、もともとは“憧れ”がきっかけなんです。かっこいい人がいて、“自分もこうなりたい”と思わされる。その気持ちが今でもずっと生きている」。彼女が惹かれるのは、好きなものがはっきりしていて、ぶれない軸を持っている人。流行を取り入れながらも、それに自分自身を合わせるのではなく、“自分だったらどうするか”を知っている人。「その人の背景が見える人が好きです。“このアーティストが好きなんだろうな”とか、“こういうものが好きなんだろうな”って、ぱっと見ただけで伝わるような。好きなものをちゃんと自分流に落とし込んでいる人に惹かれます」。その憧れの先にいるのが、アーティストのCharaや宇多田ヒカル。とりわけ、年齢や時間を重ねるほど自然体になっていく姿に惹かれるという。「昔から好きなものって、意外とあまり変わっていないんです。自分も好きなものがあるなかで、それを曲げずにやってきて、信じてきたものが今少しずつ形になっている。結局、大切なものってここだよね、って思います」。憧れた誰かから受け取ったものを、そのまま真似するのではなく、自分の感覚を通して新しいものへ変えていく。そして今度は、彼女の作品を見た誰かがまた憧れを抱く。そんな“憧れの連鎖”もまた、彼女にとっての“STREET MIND”なのだろう。「最近少しずつ、“HIKARUっぽい”と言ってもらえるようになってきて。それは嬉しいです。でも、自分だけの感覚だけじゃなくて、客観的に見ることも大事だと思っています。自分がつくったものと自分自身がちゃんとつながっていて、名前を見なくても“HIKARUがつくったんだ”ってわかる。そんな美容師になりたいです」。誰かへの憧れから始まり、自分の“好き”を見つけ、それを曲げずに磨き続ける。いつしか憧れる側から、誰かにとっての憧れへ。HIKARUさんがつくった今回の女性には、そんな彼女自身の現在地まで映し出されているように感じた。