“STREET MIND” SNAP #03
Sep 22, 2026 / FASHION
“INDEPENDENT GIRL”の
ストリートを纏ったスタイル
今シーズンの「PERK」が立ち返るのは、原点であるストリート。“STREET MIND”をテーマに、ヴィンテージやメゾンブランドを独自の感覚でミックスし、既成のルールにとらわれない自由なスタイルを提案する。そんなマインドを体現する8名の“INDEPENDENT GIRL”がセルフスタイリングで登場。ラストを飾るのは、小田寛子さん、貴子さん、Mitsuki Leeさん。三者三様の感性から生まれる、大人の品とストリートマインドが共存した着こなしをお届けします🛹💨
MODEL_Mary Sara, Tondabayashi Ran, Julia Shortreed,
PHOTOGRAPHER_Ryohei Obama(signo)
EDIT&TEXT_Maria Ito, Mizumo Uehara(PERK)
#03 “INDEPENDENT GIRL”


person_Takako Oda, Hiroko Oda /Model @takako_oda @ohhiro
“変わっていく2人、変わらない原点。
”

(右:寛子さん)ジャケット、ワンピース/ヴィンテージ、シューズ/The Row

双子という近い存在でありながら、ファッションにはそれぞれの個性が滲む、小田寛子さんと貴子さん。好きなものや似合うものにはどこか共通点がありながらも、少しフェミニンだったり、メンズライクだったりとその人の感性や色が出る。この日の寛子さんは、ワントーンの装いに異なる素材をミックス。「基本的にモノトーンが多いので、素材で遊ぶのが自分らしい」。色数を抑えながら、質感の違いによって奥行きを生んでいた。一方、貴子さんはイエローとベージュを軸に、全体を2色で構成。「コーディネートはいつも2色くらいにまとめて、どこかにメンズっぽいアイテムをひとつ入れます」。この日はシャープなシューズやアイウェアが、その役割を担っている。
普段はあまりインタビューの場に慣れていないという彼女たちであったが、言葉を悩みつつも自分らしい表現をかい摘み、直球かつ端的に伝えてくれた。その姿にブレはなく思考や物事の価値観に確信があり、強ささえ感じる。ふとした瞬間に2,3秒お互いを見つめ合い、発する言葉をまるで予知しているかのように無言で頷きあう姿は、“言葉にする前の感覚”まで共有しているよう。その距離感が2人にしかないものだと思うし、魅力的に感じた。
2人のキャリアの始まりがまさにストリートスナップであったこともあり、今回の企画も快く引き受けてくれた。”初心を忘れない”という言葉を思い出させ、原点回帰のきっかけになったという。歳を重ね、経験を積み、着る服が変わっても、ふとした瞬間に戻ってこられる場所がある。2人にとって“STREET MIND”とは、何か新しいものを追い続けることだけではなく、自分たちがどこから始まったのかを忘れないことなのかもしれない。ストリートは、今も2人のスタイルの根っこにある。


person_RAN TONDABAYASHI/Artist @tondabayashiran
“角度を加えた視点を加えることで
生まれる世界”


コラージュやイラスト、ペインティングなど、さまざまな手法で、作品をつくり続けるアーティスト、とんだ林蘭さん。彼女の作品を見ていると、目にした瞬間に惹きつけられる一方で、どこかに小さな違和感が残る。
「誰もが美しいと思うもの、例えば花のような存在はすごく好き。でも、それをそのまま出すのではなく、必ずどこかに“ひねり”を入れたいんです。違う見せ方をしたり、あえて違和感を加えたりするのが好きで」少し角度を変えたり、別のものを掛け合わせたり、ときには毒を加えたり……見慣れたものの中に、自分だけの見え方を加えていく。
その感覚は、ファッションにも表れている。「THE ATTICO」デニムスカートに、肌みせしたお腹にまいたベルト。裾からはレースパンツを覗かせ、足元には重厚なブーツを合わせた。「露出もひとつのストリートだと思う」、服の面積や肌との境界まで含めて、どう見せるか、自分の身体そのものまで表現の一部にしてしまう。そこにも、彼女らしい自由な発想がある。
考えてみれば、彼女がつくるものには、かわいいだけでは終わらせない、もう一歩を加えている。“STREET MIND”とは、見慣れたものに少しだけ角度をつけ、自分にしか見えない景色へ誘うこと。「ここに何かを足したら、もっと面白くなるかもしれない」という感覚を、作品にも服にも落とし込んでいく。その“ひねり”と”引っ掛かり”が、とんだ林蘭というアーティストの世界をつくっているのかもしれない。

person_Julia Shortreed/Artist @juliashortreed @blackboboi
“居場所を探すより、自分たちでつくっていく
”


音楽とファッション、そのどちらかに自分をカテゴライズすることなく、表現を続けるジュリアさん。彼女から感じる“STREET MIND”は、自分にとって何が心地よく、何を表現したいと思うのか……その初心を忘れずにいるマインドなのかもしれない。
エレクトロ・ユニット「Black Boboi」での活動も、その姿勢を映している。「メジャーかインディーかという枠組みに無理に当てはまる必要はない。大切なのは、好きな音楽を自由に作り続けること」どこに属するかよりも、何をつくりたいのか、環境や肩書きによって自分たちの表現を決めるのではなく、必要であれば自ら場所をつくっていく。そこには、完成されたスタイルを守るのとはまた違う、表現者としての強さを感じる。
今回のスタイリングの主役は、ロンドンのラジオ局「NTS」と〈TOGA〉がコラボレーションしたスウェットトップス、首元から覗く赤茶系のパターンシャツが、ストリートの軽快さにヴィンテージの奥行きを加える。「窮屈なのは苦手で、いざという時に走れるような(笑)アクティブなスタイルを意識しました」。ブラックのボトムスに重ねたオリーブグリーンのアイテムは、友人と立ち上げる巻き物専用ブランド『MAKHA(マクハ)』のもの。フロントのポケットやバックのフリンジがどちらを前にしてもかわいいし、自分たちに必要なものを自分たちでつくる。
ハスキーな声やクールな佇まいだけを切り取れば、彼女はどこか遠い存在にも見えるかもしれないけれど、その内側にあるのは、意外なほど素朴な“好き”を出発点にする姿勢。ジュリアさんの“STREET MIND”には、そんなところから垣間見えた気がした。

Look forward to the next one!