Inner Thoughts #04
秋元舞子
Aug 16, 2024 / FASHION
自分らしさの純度を高めて作った服が
着る人たちの生活の一部となる
ブランドのデザイナーたちのクリエイティブの源泉にフォーカスする不定期連載。今回はミリタリーやスポーツといったオーセンティックなアイテムを軸に、ウィメンズらしいしなやかなムードをまとう〈フィーニー〉のデザイナー、秋元舞子さんに会いに行った。「作りたいものは変わっていない」と話す一方、シーズンを重ねるごとにパーソナルな要素は増すばかり。そんな彼女による2024-25年秋冬シーズンとは。
PHOTO_Haruki Matsui
EDIT&TEXT_Yoshio Horikawa(PERK)
PROFILE
Maiko Akimoto
心が動いた瞬間やワクワクと高揚した気持ちを伝えたい
――2012年春夏から数えて12年が経たれましたが、振り返るとどんな歳月でしたか?
「すごく楽しかったというか、こんな12年になるとは考えてもみなかったほど幸せです。最初は一人でやっていたんですけど、4年目くらいからパタンナーや生産管理などが集まってくれて今の体制になって。プロフェッショナルな人たちが周りで支えてくれているおかげで、自分はデザイナー業に集中できるようになり、一から生地を作るなどクリエイションに時間を使えるようになりました」
――デザインへの向き合い方や心境の変化などはありましたか?
「立ち上げた頃も今も、ずっと自分が着たい服を作ってきて、特別な日ではなく毎日着られる服、気持ち良く過ごせる服、旅に持って行きたくなる服というベースはまったく変わってないですね。旅というのは自分の軸でもあるので、行った先々での感情や情景などを日常の服に落とし込んで、着てくれる人たちと共有できたらと考えています」
――以前にスイムウェアをリリースされた時も、テニスをフィーチャーされた時も、秋元さんらしいなと思っていました(笑)。ご自身が今気になっているコトがダイレクトに伝わってきて。
「海が大好きなので、自分が着たいなと思う水着を作りました。服の延長で着られるような水着があったらいいな、というのをカタチにして。〈Speedo〉とコラボした水着は毎回旅に持って行く必需品になっています。テニスを始めてからは、日常でも運動する時にも着られるウェアを作ったり。そんな感じで、自分自身の生活に〈フィーニー〉が欠かせなくなったんですよね。生活と服が一体化しているというか。自分が楽しいと思えることにクリエイションを振り切って、心が動いた瞬間とかワクワクと高揚した気持ちとかを服に反映させることに楽しさを見出すようになりましたね。あの頃から、よりパーソナルな部分を表現するようになったと思います」