The Favorites Forever
Aug 26, 2024 / FASHION
あの人のアイデンティティが表れた
ずっと手放せないファッション
歳を重ねてもずっと着たい、
こういう服を着られる人でいたい
ラグビーボールモチーフのドレスの上にニットを合わせてスカートのように見せるとは、コギソさんらしい自由なアイデア。どう組み合わせたら面白いか、より新鮮に見えるかという選択の連続は、やはりお手のものなんだろう。
「好きを極めるとそうなっていくのかもしれないですね。カレーの達人って、そこに突然何かを足したりするじゃないですか(笑)。洒落たお店に行ってサラダにこんな意外な隠し味を入れたか、みたいな。食べもののことはあまりわからないですけど、極めるってそういうことなのかなと思っています」
これまたコギソさんらしいユニークな例え話。また今回のワンピースは、組み合わせを考える余裕がない時に着ることが多いという一方で、背筋を伸ばしてくれるアイテムでもあるという。
「ガチャガチャしないで、ちゃんとして見えますよね。ピシッとした気分にさせてくれるじゃないですか。戦闘服とまでは言わないし、戦いでもなければそもそも誰とも戦いたくないですけど、自分を鼓舞してくれる存在というか。今晩、広尾で2万円のディナーって言われたら、ワンピ着て行こうというのは気分的にありますよね」
あらためて8点の私物を眺めていると、例の〈ヨウヘイ オオノ〉のドレスしかり、〈シーロン〉のライフジャケットドレスしかり、ハードルが高いアイテムも少なくない。それらを臆することなくコーディネートし、マイスタイルとして完璧にものにしているのは、コギソさんだからこそできることなのだろうか。
「歳を重ねると、いろんな環境であったり周りも大人になっていったり、やっぱりこういう服ってなかなか選べなくなっちゃうじゃないですか。それでも私はずっと着たい、こういう服を着られる人でいたいなと思うんですよね。いつも思うのは、周りに恵まれているなぁっていうこと。例えば、ひとクセあるワンピース一枚で出かけた時に、『それヤバいよ』っていう人がいないんですよね。『何それコギソ、超イケてんじゃん!』、『全然大丈夫だよ!』って。その大丈夫のハードルを上げ続けた結果、こうなっちゃったんですけどね(笑)。みんないっつもありがとう!」
TFF 8/8