PLAY A TUNE
@ TAWINGS

Feb 26, 2021 / CULTURE

ガールズバンドのアイデンティティ

彼女たちの音楽を聴くと、
無性に感情を揺さぶられるのは
なぜなのだろう。
唯一無二の個性への憧れや
心に刺さる等身大の言葉、
自分らしく存在するその姿こそが、
私たちを勇気づけてくれるから
なのかもしれない。

MODEL_TAWINGS
PHOTO_Takuroh Toyama
STYLING_Tomoya Yagi 
Hair&Make-up_AIKO
MOVIE_Kei Douguchi(TRYOUT)
EDIT&TEXT_Hitomi Teraoka(PERK)

GIRLS 02

TAWINGS
(Cony Plankton, eliy, Yurika)

2016年結成のオルタナティヴロック・バンド。メンバーはCony Plankton(vo,g)、eliy(b)、Yurika(ds)の3名。ガレージ、ポストパンク、ニューウェーブなどさまざまな要素を飲み込んだサウンドで、東京を拠点に活動している。17年5月に1stシングル「Listerine/Dad Cry」(7インチ)、18年1月には2ndシングル「Invisible/UTM」(カセット)をリリース。The Lemon Twigs、Hinds、Japanese Breakfastといった多くの海外アーティストのサポートを務め、18年にはSXSWへ出演するなど、初の海外公演を行った。19年12月には1stアルバム『TAWINGS』をリリース。20年2月14日、NYからCibo MattoのMIHO HATORIをゲストに迎え、リリースパーティー「Chocotto Love」を[WWW]にて開催。ロンドンのオンライン・ラジオ「NTS Radio」とLAのファッション・ブランド「Brain Dead」によるコラボレーション企画「Now That’s What I Call Brain Dead」に楽曲を提供するなど、注目を集めている。

――バンドを結成してどのくらいになりますか?

コニー 2016年の7月に結成なので……4年?

エリー え、いっちゃってる?

ユリカ 4年いっちゃったね。

コニー TAWINGSは、私がバンドをやりたくて声をかけたのが始まりで。最初に声をかけた子は今もう辞めちゃったんですけど、その時レコード屋で一緒にバイトをしていたエリーちゃんと出会って、バンドを一緒にやろうって話になりました。

エリー 私たちは友達になったほうが先でしたね。

コニー 実はバンドやるんだよねって話したら、私もやりたいって言ってくれて。で、“近くにやりたい子いた!”ってなったんです(笑)。

エリー 趣味も近くて、バイトをしながら結構音楽の話とかもしていて。合う感じだったんで。

コニー とにかくガールズバンドを組んでみたいと思ってだったので、始めはこれから先どうなりたいとかもなく、ただ遊びでだったんですよね。

――ユリカさんとはどこで出会ったのですか?

コニー バンドを組んでから、一度友達の男の子にドラム叩いてもらってライブをしたんですけど、やっぱりガールズバンドでやりたいって思ってしまって。友達にユリカちゃんを紹介してもらいました。

ユリカ もともと共通の知り合いがいて、コニーちゃんのことは知っていました。バンドを始めたのも知っていて、いいバンド始めたんだな〜とは思っていたんです。そんな時に声をかけてもらったんで、「もちろんやります!」って感じで入りました(笑)。

コニー 男の子とバンドを組むと緊張しちゃってできないだろうなって思いもありました(笑)。

――憧れのバンド像などはありますか?

コニー 当時はとにかくUK、USのガールズバンドに憧れていましたが、日本で今までいなかった新しいガールズバンドを自分たちで作れたらっていう想いが漠然とあったよね。

エリー うん。そうだね。

――海外や日本のバンドで一緒にやってみたいバンドはいますか?

コニー Yellow Fangと一緒にやってみたいですね。アジアツアーをしたいという憧れもあります。

――楽曲制作はコニーさん担当ですか?

コニー 曲は私がデモを書いてきて、そこからみんなでスタジオ練習をしています。その時に、こうしたほうがいいとか言ってくれたりしつつ調整をして、最終的にレコードにしています。バンドとして初めて作ったのは「invisible」という曲。たぶん、トータル30分かからないくらいでできた。最初は、とりあえずそれをスタジオで合わせてみたら「いいじゃん! これいっちゃうでしょ!」みたいにね、なって(笑)。

エリー コニーの家でSoundCloudに「invisible」をあげたんですよ。その時は、まだサブスクがなかったので。結構ブチ上がったよね(笑)。

コニー そうそうそう。音楽活動といえば、うちら世代だとサンクラあげようよみたいな。まずそこで1回アップロードしたぞー! みたいな。デジタルネイティブ世代なので(笑)。

エリー そうしたら、友達とかからも結構すぐリアクションがきたりもして。

ジャケット¥132,000/ネーム(問)ネーム、ニット¥253,000/ジ エルダー ステイツマン(問)サザビーリーグ、パンツ¥20,900/ラコステ(問)ラコステお客様センター、古着のブーツ¥8,690(問)サンタモニカ 渋谷店

――反応がすごくよかったんですね!

エリー 知らない人も聴いていました。ここから、こういうビジュアルでやりたいとか、だんだん理想が出てきましたね。

――ひとつ形になったのをきっかけに、もっとこうしていきたいっていう気持ちがどんどん出てきた感じですか?

コニー そうですそうです。まさに。

――ミュージックビデオを作る際のこだわりは?

コニー 「Invisible」は映像をやっている友達が監督をしてくれたのですが、友達なのでみんなでアイデア出し合ってワイワイしながら作りました。海外を意識した雰囲気だけど、ローファイで温かみのあるテイストが良くて、それを形にしてもらったり。「水仙」や「Make Up」はエリちゃんが編集していたり、手作りでやりました。

エリー 「Listerine」っていう曲のMVは、ロゴがぐるぐる回っているだけのコニーがケータイで作ったものなんですけど、それが結構評判よくて、そこからDIYでもいいじゃんみたいになりましたね。でも、いつかしっかり撮りたいって気持ちもあります。

――こういう画を撮りたいっていうのはありますか?

コニー 今まではローファイなイメージで撮ってきたんですけど、今度はデジタルで鮮やかな映像で撮ってみたいですね。そこからまた曲の聴こえ方も変わると思うので。新しい表現に向かっていきたい気持ちもあります。

ニット¥81,400/アリーズ(問)コンコード ショールーム、パンツ¥30,800/アンユーズド(問)アンユーズド、シューズ¥74,800/アデュー(問)エドストローム オフィス

――それぞれが思うメンバーの印象って?

ユリカ コニーちゃんは炭酸とか清涼飲料水を飲んでいるイメージだから「力水」、エリちゃんは健康志向なので「ソイプロテイン」です。

コニー ユリカちゃんは渋みがあるから「ほうじ茶」、エリちゃんは美意識が高いから「ローズヒップハイビスカスティー」かな。2人を言葉で表すのがまず無理で、何かの枠にはめないと厳しかったので勝手に飲み物のくくりにしました。

――2人とも飲み物系(笑)。

エリー 私はコニーが「宇宙人」で、ユリカが「聖母マリア」。まあそのままの印象なんですけど、コニーは知り合って、5、6年経つんですが、今でもやっぱり奇妙な印象は変わらなくって。なんだろう、動きが。あんまり静止しているイメージがなくて、それがなんか宇宙人っぽい。

コニー じっとしてられないんですよね……。ユリカちゃんはたしかに「聖母マリア」って感じです。ドーンと構えていて、なんでも受け入れてくれる。

――みんなのファッションについては?

ユリカ コニーちゃんはいつもポップな感じだし、コーディネートもポップなのを着させられがちなんですけど、実はアー写で着たようなきれいめな服も似合うな〜って思ってます。

コニー そうなんです。正解。

ユリカ (拍手)

エリー ピアノの発表会に出るようなクラシックなフリルっぽいシャツとか、きれいめが似合うなって思う。ユリカちゃんが言ってたカッチリ系も。

――自分の好み的にもきれいめが好き?

コニー そうですね。でも、着たいと思う服は毎日違うくて。なんか昔は、何を着ればいいかわからなくて、人に言われたものとかモノトーンの渋い色ばっかり着ていたんですよね。そうしたら親友の子から、「ちょっとあんたは色着た方がいいよ! 似合わないから、アメカジのほうがいい」みたいに言われて。そこからアメカジを少し意識しつつ(笑)、顔に合う服っていうのを探求して。その結果、赤とかビビッドな色のほうが似合うって言われ続けるんですよね。

ジャケット¥69,300、パンツ¥39,600/アワー レガシー(問)エドストローム オフィス、ブーツ¥44,000/エイティーズ(問)エドストローム オフィス、タートルネック スタイリスト私物