MY UNIFORM Vol.7
PATTERNED ITEMS
Maiko Shibukawa /
「THE FOUR-EYED」Director,Stylist

Sep 30, 2022 / FASHION

“私らしさ”がビビッドに表れた
スタイルのある女性たちのユニフォーム

トレンドと程よい距離を保ちながらマイスタイルを楽しむ“INDEPENDENT GIRL”が、昔も今もずっと身につけている服。そんなユニフォームのような存在のアイテムは、彼女たちのセンスや気分、何よりファッションに対する愛に満ちている。今回は「THE FOUR-EYED」の渋川舞子さんが登場。日々のモチベーションを高めてくれるという柄ものについて教えてくれた。

PHOTO_Haruki Matsui
FILM_Kei Doguchi
FILM EDIT_Kenta Ogo
EDIT&TEXT_Yoshio Horikawa(PERK)

PATTERNED ITEMS
Maiko Shibukawa  /
「THE FOUR-EYED」Director, Stylist

気分を変えられて楽しくなるきっかけになる
柄ものは私にとってのスイッチ

 10代の頃から、派手な色柄の服を着ることに抵抗がなかったと記憶しているんですけど、高校卒業後にロンドンに留学してから拍車がかかったような気がします。肌を隠さなきゃいけないとか、柄と柄は合わせない方がいいとか、なんとなく日本で感じていた概念がすべて崩れたんです。いろんな人と会って、その人たちに音楽を中心としたいろんなカルチャーを教えてもらって毎日吸収して。その頃の経験が、柄ものを好きになったいちばんの理由ですね。ロンドンは自由で、どんな服装やメイク、髪型でも誰も何も気にしていないというのが私の性に合ったんだと思います。それ以来、柄と柄の組み合わせを楽しんでいますけど、着こなしのセオリーを意識したり何かしらのバックグラウンドがあってファッションを好きになったりしたわけではないので、理論的なところではなくてあくまで自分の感覚で合わせています。柄と柄の合わせで唯一気をつけていることは、靴やバッグはトーンダウンさせるとか、靴下は無地を選ぶとか。そういうところでバランスを取るようにはしていますね。
 柄ものはどんな存在か……、気づいたらそこにあったという感じですかね(笑)。よし! 今日は柄ものを着ようと思っているわけじゃないし、これまでずっと当たり前のように身につけていたので。無地の服はまったく興味がないわけではないですけど、デザインやシルエットに特徴がないものはほとんど持っていないかも。真っ黒でもベロアだったりサテンだったり、生地にひとクセあるとか。やっぱりファッションは自分のパーソナリティをストレートに表現するものだと思っているので、そこはこれからも大事にしていきたいですね。あとは柄ものに袖を通すことで、気分をガラッと変えられるし、自分が楽しくなるきっかけになるので、日々大切に着ているというか。そういう意味では、柄ものは私にとってのスイッチなんだと思います。

個人的にいち押しの〈マロスケ ピーチ〉というメルボルンのブランドです。アーティストの子たちが各自の仕事が終わった後にアトリエに集まり、余った布を使った服がブランドに発展して。最近はオーストラリアのファッションに目が留まるようになってきました。

LA出身で、NYをベースとするデザイナーによる〈コリーナ・ストラーダ〉のロングスカート。もともとタイダイやペイントものが多くて、サイケデリック柄というのか、これもオリジナルの柄。〈エミリオ・プッチ〉のようなアートっぽい柄が気に入っています。

ロンドンを拠点とする2人組みのブランド〈チョポヴァ ロウェナ〉。デザイナーのルーツでもあるブルガリアの伝統的なスタイルに、ロンドンのパンクやグランジのムードを加えるのが上手。身頃以外に左右の袖、しかも前と後ろも別の柄(笑)。この大胆さが好きですね。

ニットは〈ガニー〉で、柄の中にロゴが隠れています。こういう着丈が短くてぴったりめのサイズ感も、チェック柄も好き。ブルーとえんじの配色が気に入って、速攻で買いました。春に出たものですけど、北欧のブランドということもあって厚手で暖かいです。

ロンドンの〈シュリンプス〉のヘッドスカーフです。ここ数年のトレンドである、かぎ針編みのクロシェニットを頭に巻くという発想が面白いですよね。柄ものの服を着る時も、特に気にせず合わせています(笑)。

うちでも取り扱っている〈ポーラ・カノヴァス・デル・ヴァス〉。このトップスはフォトプリントを引き伸ばしたり重ねたりコラージュしたり。アームウォーマーがくっ付いていて結構便利。腕を細く見せてくれる効果も。

ベルリンの〈オットリンガー〉のパンツは、とにかく使い勝手抜群。脚が透けて見えず、伸び縮みしてはきやすくて。ミニスカートに合わせても、ドレスとコーディネートしてもいい。柄がチラッと見える感じが好きです。

〈ガニー〉のシルクドレスは、ゼブラ柄というよりタイガー柄。おめかし用っぽい服ですけど、私は普段から着ています。ギャザーが入っていて、ぴったりそうに見えてボディラインが出過ぎないところが気に入ってます。

〈アシュリー ウィリアムズ〉のニットキャップ。去年辺りからネコ耳やウサ耳のニット帽が流行っていて無地のものが多いですけど、私はインヤン柄を愛用。意外と合わせやすく、いろんな服装の時に被っています。

セーラーカラーがポイントの〈シュリンプス〉のブラウス。インナーに総柄のハイネックのトップスなどを合わせると真冬でも着られます。おしとやかに見えて、このブランドらしいしっかり遊び心のあるところが好き。

PROFILE

岩手県盛岡市出身。地元の高校を卒業後、22歳までロンドンに留学。帰国後より東京を拠点とし、2016年に『STREET』のフォトグラファー藤田佳祐氏と新宿歌舞伎町にセレクトショップ「THE FOUR-EYED」をオープン。ディレクターとしてバイイングなどを担当する一方、スタイリストとしても活躍。新宿全域と多摩動物園がフェイバリットスポット。

https://www.thefoureyed.shop/
@maikoshib
@the_foureyed

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