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April 30, 2021 / CULTURE

巧みな陰影と色彩美で人々を魅了する
世界的フォトグラファー

映画や音楽、本にアートといったカルチャーを、『PERK』が注目するINDEPENDENT GIRLがリコメンド。今回はスタイリストの濱本愛弓さんに、世界的に活躍するオランダ人フォトグラファー、ヴィヴィアン・サッセンの魅力を伺った。

EDIT&TEXT_Yuka Muguruma(PERK)

PROFILE

AYUMI HAMAMOTO

大阪府生まれ。地元の関西でショップスタッフとして勤務後、スタイリストを志して上京。仙波レナ氏のもとでアシスタントを経験して2018年に独立。「ゾゾタウン」との協業によって立ち上げた「ヒロサイ」のブランドディレクターを務めるなど、多方面で活躍中。
Instagram_@ayumi6316

スタイリストを目指したきっかけ

 数々のモード誌に取り上げられるなどスタイリストとしての枠を超え、アイデンティティ溢れるスタイルにも注目が集まる濱本さん。まずは、彼女に今の仕事を目指したきっかけを聞いた。
「もともと関西の美容専門学校に通っていて、ファッションが好きだったから卒業後はヘアサロンではなくアパレル企業に就職したんです。当時はギャルっぽい格好だったけど、ショップスタッフとして働いていると周りも皆同じようなスタイルだから飽きてきて。ギャル系、少しフェミニンなトラッド系を経て、今にも通ずるモード系のファッションに辿り着きました。そうやって働いていると、自分のコーディネートを褒めてもらえるようになって、上司や先輩からもスタイリングの相談を受けることが増えてきたんです。そんな時にモード誌のスタイリングの仕事に興味を持ち、23歳で上京してアシスタントとして経験を積みました。就職したての頃は関西を離れるつもりはなかったけど、やっぱり挑戦するなら東京かなと。たくさんのことを学ばせていただいて、今はスタイリストとしてのお仕事をいただけるように育てていただきました。すごくありがたいなと思っています」

ヴィヴィアン・サッセンの魅力について

 そんな濱本さんがピックアップしたのはオランダ出身のフォトグラファー、ヴィヴィアン・サッセンによる作品集。ファッション写真家やアーティストとして世界が注視する彼女の魅力を語ってもらった。
「ヴィヴィアンならではのコントラストと美しい色彩に惹かれます。日本では柔らかいライティングが主流だけど、彼女の作品には陰影がしっかりと表現されていて。その独特な感性は、幼少時代を過ごしたアフリカの大地や文化に育まれたものなのかもしれません。彼女が撮影したメゾンブランドのルックブックを含めると、全部で5冊ほどの作品集を持っていて、気分が落ちたり息詰まったりした時に眺めています」
 そして大事にしている作品の中から、特にお気に入りの3冊を紹介してくれた。

『In And Out Of Fashion』ヴィヴィアン・サッセン

「こちらは、彼女が17年間にわたって撮影したファッションブランドのルックを集めた作品。『ステラ マッカートニー』、『アディダス』、『ミュウミュウ』などで発表してきた作品が収録されていて見応えたっぷりです。日本人にはなかなかチャレンジできない、大胆な色使いにイマジネーションがかき立てられます」

『Roxane II』ヴィヴィアン・サッセン

「躍動感のあるポージングが印象的なこちらは、ロクサーヌという女性のヌードが収録された作品集。モデルのボディにはヴィヴィアン自身がペイントを施していて、ヌードだけど不思議とエロティカルなムードを感じさせないのが特徴。ファッションブランドのルックを中心とした『In And Out Of Fashion』と比べると、より彼女らしさが反映されていて。これはアフリカを縦断しながら撮影したものだそうで、現地ならではの豊かな自然や照り付ける太陽の光も相まって力強い作品になっています」

「ドリス ヴァン ノッテン」2021年S/Sルックブック

「大好きな『ドリス ヴァン ノッテン』のコレクションをヴィヴィアンが撮影した、私にとってスペシャルな一冊。何枚も重ねたカラフルなフィルムと独特のライティングで作り上げた幻想的な雰囲気がとても素敵で、大切に保管して何度も見返しています」

彼女の作品との共通点と、今後の目標

 最後に、濱本さんのファッションとヴィヴィアン・サッセンの作品との共通点、そしてスタイリストとしての目標を尋ねた。
「唯一無二の色彩感覚と不思議と妖艶さを感じさせないヌード、ヴィヴィアンが撮る作品の特徴でもあるこの2つは、私のファッションにも共通する部分があって。私自身もビビッドなカラーを用いたコーディネートや肌を大胆に見せる服を着ることが多くて、特に肌見せする服を選ぶ時は、いやらしく見えないようどこか上品なポイントを取り入れることを必ず意識しています。彼女の作品は、スタイリングのインスピレーションの源にもなっていますね。ここ数年はスタイリストとしてだけでなく、私自身をフォーカスしていただく機会が増えて。スタイリストは裏方に徹すべきだと考えている人も多いから、私は少し特殊な立場にいるのかもしれない。だけど、『スタイリストだけあって服の見せ方が上手いね』と撮影の際に言っていただけることがあって。モデルもスタイリストも経験できることは最大の強みだから、自分だからこそできることがあるんじゃないかと思うんです。今はその可能性にワクワクしていて、近々ファッションの楽しみ方を伝えるトークショーなどもやってみたいなと考えています。お仕事をさせていただいたスタイリングはもちろん、私自身のスタイリングを投稿しているInstagramも作品と捉えていて、人に見られることを常に意識しているからこそセンスも磨かれるし、そんな見せ方も今の時代に合っているのかなと思います。日々移り変わるファッションの世界の最先端で仕事ができているのは、オンもオフも服を全力で楽しんでいるからこそかも。いただいたお仕事を一つひとつ確実に積み上げながら、これまでの概念を打ち破るような新しい時代のスタイリストを目指したいと思います」

“High&Low” by AYUMI HAMAMOTO

— High —

「ボッテガ ヴェネタ」のバッグ

「ぷっくりとしたフォルムと編み上げデザインがお気に入りの『ボッテガ ヴェネタ』のバッグです。パッと目を引くグリーンは一見組み合わせにくそうだけど、意外とどんな服にもマッチする優秀なカラー。私はデイリーユースしています」

— Low —

「ラストフレーム」のトートバッグ

「伸縮性のある肉厚のニット素材で編まれたトートは、ストラップも付いているのでサッと肩にかけられるのが便利。近所への買い物や仕事に行く際は小さめのバッグを持つことが多いので、サブバッグとして重宝しています」

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