Letter from the Editor
Sep 08, 2026 / NEWS / TIE UP
2026 SUMMER THEMA
“Handsome Temptation”
こんにちは‼
ファッションマガジン『PERK』の編集長を務めております、伊藤です。
毎シーズンの終わりにお届けしている「Letter from the Editor」。今シーズンも、少しだけお付き合いいただけたら嬉しいです。
今年の夏は、なんだかあっという間に過ぎてしまいましたね。毎年のような暑さを身構えていたはずなのに、いざ夏が思っていたほど長くないと、それはそれで寂しい気もしてます。人って、いつもとは違うことが起きたときに、急に欲したり、気になったりすることがありますよね。我慢していたものほど欲しくなる(私にとっては完全にチョコの誘惑。我慢もできてないけれど……(笑))。手に入ると思っていたものが手に入らないと、途端に気になってしまう。
もしかしたら、そういう心の動きも“誘惑”のひとつなのかもしれません。
今シーズンのテーマは、“Handsome Temptation(ハンサムな誘惑)”。このテーマを決めたきっかけは、〈Saint Laurent〉の2026年サマーコレクションのビジュアルでした。そこから“ハンサムな誘惑”という言葉を掲げ、3ヶ月間、撮影やインタビューを通して、その意味について自分なりに考えてきました。けれど、正直に言うと、最後まで少し難しいテーマだったように思います。
“誘惑”ではなく、重なる部分もある“魅力”と言う言葉に置き換えてみました。すると、少しだけ腑に落ちました。私は、人のいいところを見つけることが好きな方だと思っています。人の話を聞くことも好き、だからこそ、今こうして人やその人の持つ世界を伝える仕事をしているのだと思う。
ですが、「人の魅力ってどうやって見つけているのか」と考えたときに、もしかすると、これまで好きになった人や憧れてきた人の中に見つけた“好き”の要素を、自分の中にたくさんストックしていて、それと似たものを別の誰かに見つけたとき、「この人、魅力的だな」と感じているだけなのかもしれない。つまり、相手そのものを見ているようで、実は自分の中にある“好き”を当てはめているだけの感覚に近い。
そんなことを考え始めると、「私は本当の意味で人に興味があるのだろうか」とまで、自分を疑いたくなりました。でも、たぶんそういうことではなく、周りの人を大切にしたいと思う気持ちは、ちゃんとある。ただ、自分自身のことを本当の意味で大切にした経験がなければ、誰かを大切にすることも難しいように、自分自身の魅力に気づけていなければ、誰かの魅力を見つけるのも難しいのかもしれない。そう考えると、今回の“Handsome Temptation”というテーマを、自分の中でなかなか消化できなかった理由も、少しわかるような気がしました。
今回のテーマを通して、ひとつの答えにたどり着いたわけではありません。むしろ、まだまだ自分の中で開拓していかなければいけないテーマだと感じています。“Handsome Temptation(ハンサムな誘惑)”とは何なのか。
でも、もう少し歳を重ねて、いろいろな人に出会い、経験を重ねたあとに、またこのテーマについてお話しできたら。そのときには、今とは少し違う“誘惑”の見え方をしているのかもしれません。今シーズンも『PERK』を観てくださっている皆様、ありがとうございました。
また次のシーズンに。
PERK編集長
伊藤マリア