Their Music Life

May 02, 2022 / CULTURE

昔も今もずっと変わらない
音楽と共にある彼女たちの日常

東京を中心としたミュージックシーンを盛り上げる存在であり、自分らしさを大事にする“INDEPENDENT GIRL”でもある2人の女性に、音楽に関するあれこれをざっくばらんに伺った。1人目はフリーランスの編集者や翻訳家などとして活躍中の多屋澄礼さんが登場。

PHOTO_Yoko Tagawa

※このコンテンツは2020年12月に取材・撮影を実施しています。

Sumire Taya

多屋澄礼
1985年生まれ。ファッションや音楽を中心としたフリーの編集者、ライター、翻訳家など、
幅広いフィールドで活躍。現在は「ディスクユニオン」の『Girlside』プロジェクトのディレクション、
グラフィックアーティストYOSHIROTTEN主宰の「YAR」でPRを担当。
2020年に東京から長野へ拠点を移し、21年夏にリターン。育児にも奮闘する毎日。
https://violetandclaire.net/
@sumiretaya
@diskunion_girlside

音楽が好きな人と服が好きな人とに
二分されているように感じているので、
それぞれが交わるようにしていけたら。

――10代、20代の頃と比べて音楽の聴き方は変わりましたか?
 「随分と変わりましたね。昔は月に5回とかDJをしていたので、頻繁にレコードを買わなくちゃっていうのがあったんですけど、今は自分の生活を充実させるために音楽があるという感じになりました。好きという気持ちは変わらないのですが、レコードからスマホへとメディアが変わりましたね。そうなるとAirPodsが欠かせなくて、『So Young』というイギリスの音楽誌とコラボしたケースに入れて使っています。ほかのワイヤレスイヤホンも試しましたけど、耳に合わなくて結局これに戻りました。そこまでハイクオリティな音で聴く必要がないので、あくまで生活の中に音楽があればいいなといった感じです」

――ご自宅では、どんな機器で音楽を聴いているんですか?
 「〈BOSE〉のスピーカーです。これはミキサーに直接繋げられて、たまに外でDJをする時があってこれ一つで完結するのでよく使っています。休みの日にたまに整理しますが、今はターンテーブルを開けることが少なくて、基本的にはiPhoneで聴いています。とはいえ、子ども用のプレイリストがあって寝てくれるまでは自分たちが聴きたい音楽は聴けなかったりもしますけど(笑)」

――それでも、今もレコードを購入されているとか。
 「そうですね、月に20枚くらいですかね。一時期かなり減らして、今は全部で500枚くらい……。東京に住んでいる時は地方のレコード屋さんを気にすることはなかったんですが、長野に移って来てからはネットでチェックすることが増えました。海外のレコード屋さんはチェックしているので、そこのメーリングリストを見るのが楽しみですね」

――それでは、これまでで一番影響を受けたアーティストを教えてください。
 「イギリスの音楽、特にインデペンデントなアーティストが好きで。Factory Recordsという1978年にマンチェスターで創立されたインディーズレコードレーベルですね。New OrderやJoy Divisionなど基本的には男性が好きなバンドなんですけど、Joy Divisionのポスターをピーター・サヴィルがデザインしていて、もちろん音楽もかっこよくて。私は1985年生まれなんですが、ピーターの展示を高校生当時に『ラフォーレ原宿』でやっていて、一人で観に出かけていました。ラッキーな時代だったと思います。そういうかっこいいカルチャーを大人たちが教えてくれたというか、メインストリームで扱われていたというか。今はいい情報は大人だけが知っていて、若い人たちがそういうのを知れる機会があまりないのかなって……。例えば、〈バーバリー〉なんかは若い人たちも着ていますけど、実はその新しいロゴデザインはピーターが手がけているというところまでたどり着かないのはもったいないですよね。私が手がけているメディアを通して、そういうことも伝えていけたらなと考えています」

――この先、発信する側として新しく取り組んでいきたいことなどはありますか?
 「音楽とファッションって限りなく近い存在ですけど、音楽が好きな人と服が好きな人とに二分されているように感じているので、それぞれが交わるようにしていきたいですね。自分でプロデュースしている『Girlside』でも、音楽が好きな子ってこういうファッションが好きだよねというミックスカルチャーを常に意識していて。そういうことをもっと伝えていきたいです。あとはメディアでレコード特集がある時に、男性がコレクターとして登場されるケースが多いので、そこに私が滑り込みたい(笑)。音楽に囲まれた部屋なんかの特集にも、もっと女の子が入り込めたらなって。私が神保町にレコードを買いに行っていた時代はおじさんばかりでしたが、今は『渋谷PARCO』にレコード屋さんが入ったりしているので、もっとアナログの裾野が広がればいいなと思います」