The Favorites Forever
「インターナショナルギャラリー ビームス」
ウィメンズディレクター、バイヤー
Jul 25, 2024 / FASHION
あの人のアイデンティティが表れた
ずっと手放せないファッション
“シャツありき”のスタイリングに、
ファッションの面白さを見出したい
あらためて話を聞いて感じたのは、アイテムそのものへの偏愛ぶりだけでなく、シャツを軸としたスタイリングに対する熱量の高さ。それも自身の感覚だけを頼りにするのではなく、ロジカルな視点を持ちながらスタイルを楽しんでいる。
「この〈ドリス ヴァン ノッテン〉のシャツは、襟が長くて下に下がるようにできていますよね。重心が下がることで、首元にアクセサリーを合わせて色気があるように着られますし、ちょっと前を開けて着てみると肌の分量が増えてより女性らしいムードになる」
このような具合に次々とレクチャーしてくれ、もっとシャツの良さを伝えたいという想いがビシバシ伝わってくるから、聞いているこちらもどんどん引き込まれる。
「ここ数シーズン、多くの女性にジャケットを手に取っていただけるケースがすごく増えたと実感しています。じゃあ、それに合わせる服は何なのかを考えた時に、やっぱりシャツは不可欠じゃないですか。ジャケットとシャツの合わせって普遍的ですし、楽に着られるTシャツやカットソーではなくて中にシャツを入れることで、首元だったりコーディネート全体の見え方だったりが随分と違ってくる。ジャケットをレイヤードした時と脱いだ時とでスタイリングの表情、イメージを変えられるというのは、シャツならではの良さだと思います」
ジャケットとシャツの合わせが普遍であるのと同じように、10年先、20年先もシャツへの愛は変わらないのだろう。
「これからも着ると思います。歳を重ねてスタイルの変化と共に選ぶシャツも変わってくるかもしれないですけど、その分ネックレスやイヤリングといった合わせるジュエリーもその時々の気分で変化させたらいい。この先も“シャツありき”のスタイリングに、ファッションの面白さを見出せたらいいなと思います」
TFF 8/8