“おみゆ”×小原晩
PERKのシーズンテーマをお題に
二人が5冊の愛読書をピックアップ
以前から親交を深めている、“おみゆ”ことモデルの小谷実由さんと作家の小原晩さん。自分らしい価値観を大事にする二人に、
PERKの秋のテーマ“RUGGED GRACE”をテーマに5冊の本をセレクトしてもらった。エッセイや日記、小説といった作品そのものはもちろん、
作者や著者の物事の捉え方について思いを巡らせれば、“荒々しさと優雅さ”の本質やそこからイメージされる女性像が
じわじわと浮かび上がってくる。晩秋を迎えた今、彼女たちが推薦してくれた本を片手にまったりと過ごしてみて!
CAST_Miyu Otani, Ban Obara
PHOTO_Sayuri Yamada
HAIR&MAKE_Karen Suzuki
EDIT&TEXT_Yoshio Horikawa (PERK)
“RUGGED GRACE”と聞いて
頭に思い浮かんだ印象とは?
── この秋、PERKは“RUGGED GRACE”をテーマにさまざまなコンテンツを公開しています。ラギッドは荒々しい、勇ましい、無骨、グレースは優美や優雅、しなやかという意味と捉え、それらの対照的なワードをつなぎ合わせたのですが、このテーマを聞いてお二人はどういった印象を受けられましたか?
小谷実由(以下、おみゆ) 素敵な言葉ですね。大胆だけど優美とか、モードでかっこいいけど抜けたところがあるとか、私自身そういうことを意識したいなと常々考えていたので共感しました。20代の頃はもっとこうあるべき、こうじゃないといけないと思いながら過ごしていたんですけど、30代になってから肩の力が抜けてきた気がしていて。だからこそ、今回のテーマのような女性は憧れますね。特に抜け感はめちゃくちゃ大事だと思います。
小原晩(以下、小原)最初にテーマを教えてもらった時に思い浮かんだのは、おばさま。歳を重ねていくうえで、どんどんとその人らしく力強く、そのうえでしなやかに生きている。そういった要素が共存している大人の女性っていいなって。例えばファッションにしても、個性的な服を個性的に感じさせるのではなくて、自分の佇まいの中に引き込んでいる人を見ると、荒々しさを優美に変えるようなところもあるのかなと思いますね。
おみゆ ちゃんと自分のものにしているみたいなことだよね。もう当たり前に存在していることというか、自分のベースの中に組み込まれている。
小原 そうですね。おみゆさんもそうですけど、自分のほうに引き込んでいますよね。それって意外と荒々しいというか、ある種の強さがあると思うんですけど、でもそれを普通にできること自体がしなやかだと思いますし、そういった相反する2つの側面を持っている人に魅力を感じます。
荒々しいけど優美というイメージは
ごく普通の日々からも感じ取られる
おみゆ 続いては高峰秀子さんの『おいしい人間』(#02)。高峰さんは大正生まれで5歳で子役デビューされて、そこからずっと日本映画史の第一線を走っていた大スターなんですけど、幼少期の頃に苦労をされていたこともあってか、すごく家庭的な人でもある。豪華な暮らしよりも、しっぽりと過ごしたいという考えも素敵ですし、本当に勇ましい印象。この本は高峰さんが人生で出会ったいろんな方々とのエピソードが綴られたエッセイなんですけど、どんな人を前にしても常にフラットに接していたんだろうなというのが理解できる。素直さや優雅さがあって、でも勇ましさもあるというバランスが素敵で、たまにご自分のぐうたらした部分とかも書かれていて親しみやすくチャーミングなところも好きですね。私自身もそういう人に好感を持つから、本やSNSなどを通して何かを発信する際にありのままの自分、それこそマイナスな面も出したっていいんじゃないかって思えるようになりました。
小原 すごくわかります。“書く”という行為自体が、そういうところまで書くことを内包しているのかなって。いい話ばかりだと、やっぱり書き切れないんだと思います。
おみゆ そんなにいいところなんてないしね、実際。
小原 そうですよね。自分で書く時って、そういうぐうたらした部分とかが親しみやすさみたいに伝わったりもするから、そういう意味ではなかなか見つけにくいですよね、自分のいいところって。
小原 一方、寂聴さんの視点で考えてみると、その抗えない気持ち。悪いことなんだというところよりも、そこには自分の心に対して素直になってしまうという荒々しさもあると思っていて。こういうことってあまり語ってはいけないような風潮があるけど、文芸の世界であれば語れるよなって思いますし、実際に人にはそういった弱さがある。私はそこに荒々しさが備わっていると捉えていて、すごく面白いと感じています。そんなことどうでもいいとか、気持ち悪いで済ましてしまってもいいのかもしれないですけど、済まなかった人がいるわけだから、そういう部分に対しても何か感じ取れることがあるのかなって思います。
おみゆ 小説つながりで、群ようこさんの『かもめ食堂』(#03)。ヘルシンキにある食堂を舞台に3人の日本人女性が登場するんですけど、それぞれにそれぞれの理由はあれども、若くはないいろんな人生経験を重ねた女性たちが一人でフィンランドに行くっていう時点でタフだし大胆。大胆ではあるんだけど、丁寧に日々を営まれているところに優雅さも感じます。そういう荒々しい、でも優美っていうとすごく特別なことをしているように感じてしまうかもしれないけれど、別にそういうわけじゃないこともあるよなって。自分の中にも、そういう面がすでにあるということに気づくのもすごく大事なんじゃないかと思っています。ごく普通の日々を淡々と過ごしているという物語の中にも、そういったことを感じられるのではと思い選びました。三者三様の大胆さ、優雅さが透けて見える素敵な作品です。
小原私の3冊目は『甘いお酒でうがい』(#03)です。シソンヌのじろうさんが、川嶋佳子という40代の女性に憑依されるように日記の体で書かれた小説。
おみゆ発想が面白い!
小原 小さなことに対する些細な感覚が、すごく面白くて。「夜も書いてみる。内村くんと話した。バカみたい、浮かれてる。20代の頃、おばさんになっても恋とかするのかなってずっと疑問だった。答え、する。死ぬまでするんだろうな。お酒に眠らせてもらおう」。悲哀を飼い慣らすというか、ちょっと切ない日常をクスッという感じで受けている大人の女性に対して、荒々しさと優雅さをめっちゃ感じるんです。日常の悲哀。そういう「私おばさんだから」って言ってるような女性の美しさ、愛らしさみたいなものが描かれている点に惹かれます。コントでじろうさんが演じるキャラクター像もそうですけど、奥行きがあって、ほかの方々とは違った目線を持たれているのがいいなって。そういった女性像を、男性が書いている作品の中からも見つけられたらいいなと思って選びました。
おみゆ そうだよね。私は女性が書いた作品を選んだけど、男性性、女性性というのは、どちらの性別にも備わっていると思う。
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『私はそうは思わない』
佐野洋子 / ちくま文庫
『100万回生きたねこ』で知られる絵本作家によるエッセイ集。意志の強さを感じさせるタイトルのとおり、彼女らしい魅力に満ちた言葉の数々が日々の生活に不思議な活力を与えてくれる。
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『おいしい人間』
高峰秀子 / 文春文庫
5歳で子役として映画界にデビューした昭和を代表する大女優が、肩書きをほぼ抜きにして一人の人として関わり続けた友人知人たちとのユーモラスなエピソードを綴った交友録。
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『かもめ食堂』
群ようこ / 幻冬舎文庫
フィンランドのヘルシンキに小さな食堂をオープンした日本人の主人公、サチエ。どうにもこうにも客足が伸びないなか、ある日彼女の前に同世代の2人の日本人女性が訪れて……。
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『よくわからないまま
輝き続ける世界と
〜気がつくための日記集』古賀及子 / 大和書房
「23年ごしでハーゲンダッツのクリスピーサンドを食べる」、「資格を取ろうと思い立つ」など、日常に溢れたちょっとした試みにフォーカスを当て、その気づきについて書かれた日記本。
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『これが生活なのかしらん』
小原晩 / 大和書房
一人暮らし、二人暮らし、3人暮らし、寮暮らし、実家暮らし……。小原さんのさまざまな暮らしぶりを起点に、日々の営みが“らしい”ワードセンスで綴られた全38編から成るエッセイ。
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“RUGGED GRACE”から連想されるのは
チャーミングで、色っぽくて奥行きを感じる人
── おみゆさん、4冊目をお願いします。
おみゆ 晩さんの日記つながりで、古賀及子さんの『よくわからないまま輝き続ける世界と〜気がつくための日記集』(#04)。これまでやったことがないこととか、日常で気になっているけどやらないままにしていることとかを調べて、実際にやってみたりしている日々を日記にしています。
小原 毎日書いているってことですか?
おみゆ 2024年の6月から10月までの5ヶ月間のうち、週に何回か書いていたみたい。日記を書くためにやったことがないことをやってみるとかって、みんなそうだと思うけど、特に私は毎日を生き切ることにいっぱいいっぱいなわけですよ。
小原 私もいっぱいいっぱいです(笑)。
おみゆ だからあれやりたいな、これやりたいなはあるけど、それを実行するまでにすごく腰が重い。でも古賀さんはすごく軽やかで、しかもそれを楽しみにされていて、一つが大きいこともあるけど、本当に些細なこともあって。私が特に好きなのが、クレンジングタオルで顔を拭く話。洗顔用の紙でできた使い捨てのタオルがあって、330円で90枚入ってるから1枚約3.7円。余計な出費だけど、まぁ許容範囲だなと。結局それで顔を拭いて意識が上がるなぁっていう感じではあるんだけど、顔を拭いたあとの紙で部屋を掃除するんですよ。不織布だから強度がそれなりにあって、そこら辺をさっと拭くのに便利だし、水ですすいで絞っても使えるからどんどん家がきれいになっていく。
小原 あら! 素敵だ。
おみゆ 顔面よりも自宅がトーンアップしたっていう(笑)。意識高いなって思ってたら、結局もったいなくてそれで家を掃除してしまうという人間らしいところがチャーミングですよね。大胆なんだけど、それに対してごく当たり前に粛々と生活の中に組み込めているのも優美だなって思います。
小原 クレンジングタオルで顔を拭いたあとに棚を拭いている姿を想像すると、確かに荒々しさと優雅さを感じますね。
おみゆ わざわざ顔を拭く専用のものを使うのって贅沢じゃないですか。でもこれだけで捨てるのかってなった時に、ついでに家具なんかをさっと拭くというのは、荒々しさとは少し違うかもしれないけど、人間らしさにつながるよね。荒々しさと優雅さのバランスというのは人をすごくチャーミングにすると思っているので、やっぱり古賀さんもチャーミングな人でした。
── 荒々しさや勇ましさに、優雅さやしなやかさを持ち合わせているということは、チャーミングにつながるんですかね。
おみゆ 本当にそう思います。本を選んでいる最中にそう感じました。今日持ってきた本たちに改めて向き合った時に、みんなチャーミングで。大人になればなるほど、そこにすごく魅力を感じるようになりました。かっこいい人、美しい人、ちゃんとしている人。自分よりしっかりしている人を見ると憧れの気持ちを抱いてきたけれど、今の自分がいちばん憧れる人物像ってチャーミングな人なのかもしれない。それに、チャーミングになろうと思ってもできないかも。自発的に備えられるものじゃない。
小原 そうそう。演出できない部分ですよね。
おみゆ 人が感じることだと思うから、自分でチャーミングを演出するのはすごく難しい。ブランディングが超得意な人はできるかもだけど。
小原 荒々しさと優雅さで連想されるイメージとしては、私は色っぽさを思い浮かべました。チャーミングさと同じで、色っぽさも演出できないのかなと。私の中にそういったイメージが無意識にあって選書したかもしれないです。
おみゆ わかるわかる。同じ色っぽいという言葉でも、若い人に対して思う場合と大人に対して感じる場合とでは違った印象を受けるよね。
小原 そうそう、奥行き? あ、この人奥行きのある人だって見えた時の色っぽい感じ。
── チャーミングや奥行きの話がありましたが、例えば俳優やモデルで思い当たる人はいますか?
おみゆ 桃井かおりさんが“RUGGED
GRACE”のイメージと重なります。チャーミングだし、豪快なんだけど優雅さやしとやかさも感じますね。いちばんの憧れの人。
小原 私は松たか子さんに無限の奥行きを感じます。チャーミングですしね。
おみゆ バラエティとか観てると面白い方だよね。映画やドラマで演技をされている時とはまた違った一面があるなと思ったら、すごく奥行きを感じるよね。
── “RUGGED GRACE”というテーマの解像度がだいぶ高くなったと思います。続いて小原さんに4冊目を紹介してもらいましょう。
小原 『これでよろしくて?』(#04)。川上弘美さんの小説なんですけど、38歳の主婦がいつもの買い物の道を歩いている時に元カレのお母さんにばったり会って、「あなた、私のやってる会に来ない?」って勧誘されるんです。それが“これでよろしくて?同好会”というコミュニティで、そこにはさまざまな女性が集まっている。いろいろな女性像が描かれているんですけど、みんな個性が豊かでそれぞれの意見があって、全員が一般論から少しずれているんだけど、同じテーブルを囲んで何やらおいしそうなものを旺盛に食べながら話している姿に何とも惹かれるというか。大胆なんだけど、女性らしいところもよく見えるんですよね。
おみゆ そのコミュニティ、入りたい!
小原 そうでしょ(笑)。議題はその時々によって違うんですけど、例えば“機嫌がよすぎる男”についてとか。
おみゆ ガールズトークの延長のような感じなんだね。面白そう。
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『鈴木しづ子100句』
武馬久仁裕、松永みよこ /
黎明書房戦後日本に綺羅星のごとく俳壇に登場しては消えた謎多き俳人、鈴木しづ子の100句を厳選。彼女が残した時に荒々しく、時に甘く切ない作品を2人の著者がそれぞれの視点で読み解く。
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『あちらにいる鬼』
井上荒野 / 朝日文庫
作者の父である井上光晴、母、そして出家する以前の瀬戸内寂聴をモデルとした3人の“特殊な関係”が描かれた、ノンフィクションに近い傑作小説。光晴と寂聴の情愛の行方とは……。
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『甘いお酒でうがい』
川嶋佳子(シソンヌじろう) / KADOKAWA
お笑いコンビ、シソンヌのじろうがコントで長年演じている40代の独身OL、川嶋佳子の名で著した日記小説。人生の物悲しさに目を背けることなく、真摯に向き合っていく姿に励まされる。
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『これでよろしくて?』
川上弘美 / 中央公論新社
結婚生活に特に不満も感じず日々を過ごしていた主人公の上原菜月が、とあるきっかけで不思議な会合に参加することに……。ページをめくるごとに引き込まれる川上的ガールズトーク小説。
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『集めずにはいられない』
小谷実由 / ループ舎
8月に発売された、おみゆさんによる2作目のエッセイ集。Tシャツ、セーター、デニムにミンティアなど、つい買い足してしまう愛すべきものたちと、それらに囲まれた日々が24編に綴られる。
奥のほうに触れたりほつれが見えたり、
本からでしか感じ取れないこともある
── 最後の5冊目となりました。
おみゆ 晩さんの『これが生活なのかしらん』(#5)。
小原 やったー!
おみゆ これ書いたのっていくつの時?
小原 26かな。
おみゆ 26歳にしていろんな生活を経験していて、私からするともう新鮮すぎて。今回の企画にもいちばん合う本かもしれないです。素敵な話がたくさんあるんですけど、「雑草とホウプ」が大好き。当時の仕事を退職して、その退職金を切り崩しながら過ごしている期間のことが書かれていて、自分は何がやりたいんだろう? って自分の中のホウプに語りかけるんですよ、晩さんが。でも何もわからないというなかで、最後の最後にホウプが口を開いた時に「書きたい」と。本人を目の前にして話すのは恥ずかしいところがありますけど、やっぱり大胆だなって。自分自身に何がしたいか問いかけるところと、答えていくというところがロマンチックに描かれていて、その一方でたくましさもすごく感じられるんです。晩さんって、地に足をつけて根を張っているにも関わらず地面から上はそよそよとしていて、起こったことに対して怒りをあらわにすることもあるけど、受け入れるということもしている。自分のペースをしっかり持っているという勇ましい姿を見せてくれる一冊です。
小原 嬉しいです。
── たくさん付箋が貼られていますね。
おみゆ 初めて会った時にその話をしていたので、その時の形跡(メモ書き)が残っています。今回の選書のテーマにも合うし、繰り返しになりますが絶対に皆さんに読んでほしいのは「雑草とホウプ」。ひと通り読み終わってから、え、この章ヤバいんじゃない!?
って気づく感じ。後追いでテンションが上がります。はい、以上が私の選んだ5冊でした!
小原 私もおみゆさんの新刊『集めずにはいられない』(#5)を選びました。おみゆさんって、さっきの本に書かれてあるメモもそうですけど、お仕事に対してとにかく丁寧に向き合われる方なんですよね。そういう面だけを見ると大胆さや荒々しさからは遠いように思えるんですけど、でもやっぱり収集することに対して、例えばこういう大量のニットの写真を見るだけでも大胆なんじゃないかって感じる。言い切りではないというか、「私はものを集めんの。好きだから集めんの」みたいなスタンスでもないわけですよ。「ちょっとまぁ、う〜ん。好きだから、つい集めてしまうんですよね。これにはこういういいところがあって」みたいなテンションで続いていく本なんですけど、その謙虚さとは裏腹に絶対に集めるんだという相反するところにポジティブな二面性を感じるんです。
── 深い部分まで考察しますね(笑)。
小原 この一冊を通して、そういう面を見せてくれたのが嬉しかったですね。本の存在って、きっとその人と会う以上に距離が近いと思うんですよ。もちろん、そこにはその人のすべてが描かれているわけじゃないけど、それでも奥のほうに触れさせてもらえたり、ちょっとしたほつれが垣間見られたり、本からでしか感じ取れないこともあるのかなって。
── ありがとうございます。今回、自分から依頼していて言うのも変ですけど、よくぞこの“RUGGED GRACE”というテーマで5冊も選んでいただいたと思います。
おみゆ なかなか難しかったですけど、今回のようなテーマで考えることってあんまりなかったから選びがいがありました。
小原 うんうん、私もです。
おみゆ それこそ今回紹介した本たちの新しい魅力を知ることができたと思います。
小原 今回のようなテーマ性がなかったら、この先、一生人の前で話さなかっただろうなっていう本を選べたので面白かったです。
おみゆ うん。ただおすすめの本を紹介するだけだったら、こういう角度で話さないかもなっていうのはあるよね。同じ作品を紹介するでも、これはこういうところが好きです、としか言えないと思います。テーマを設定してもらうことで違う捉え方、違う話ができて楽しかったです。