NIKE feat. Bgirl Ami
Be the One.
May 27, 2022 / FASHION / TIE UP
設立以来、アスリートに寄り添いながらパーパスをもってスポーツを進化させてきた〈ナイキ〉。数々のイノベーションを起こしてきたブランドが、公益社団法人日本ダンススポーツ連盟(JDSF)とのパートナーシップを発表した。「ブレイキン(ブレイクダンス)」に特化したブレイクダンス本部を持つJDSFのオフィシャルサプライヤーとして、強化選手をはじめとする代表チームのアスリートをサポートするという。今回PERKでは、多くのダンスバトルで優勝を勝ち取る23歳のBgirl、Amiさんをフィーチャー。彼女が〈ナイキ〉のウエアを身にまとい、アスリートとして表現する姿、そして一人の女性として過ごす姿を切り取った。その小さな身体から溢れ出すエネルギーと発する言葉から、スポーツとカルチャーが織りなす新たな可能性を感じ取ることができる。
FILM&EDIT_Kei Doguchi
PHOTO_Haruki Matsui
STYLING_Ai Suganuma(TRON)
HAIR&MAKE UP_KATO(TRON)
SOUND_MFDP
CAMERA ASSIST_Koki Hirano, Kenta Ogo
EDIT_Shiori Nii
垣根を超えた自由な表現
「ダンスを始めた頃は違うジャンルをやっていたのですが、ある時たまたまブレイキンの技を目にして、『かっこいい、やってみたいな』と思ったのがチャレンジしたきっかけです」。今でこそ多くのBgirlの憧れの存在であるAmiさんだが、興味本位でスタートしたブレイキンの道。あざだらけになりながらトライ&エラーを繰り返し、やっと技を成功させる。その瞬間の達成感が忘れられず、どんどん新たな技を身につけ、大会にも出場した。そして続けていくうちに気づいた、ブレイキンのさらなる魅力。「ブレイキンってすごい自由なものなんです。年齢も国籍もバラバラのダンサーたちが、自分の好きな技を、好きなようにやる。それぞれのスタイルがあってこそだから、バトルで勝った人だけがすごいわけでもないと思っています。もっと広い意味でブレイキンを知ってもらえたら、挑戦したい人も増えるんじゃないかな。もちろん競技としてもだけど、遊び感覚でやってみたいとか、旅行先で友達が増えるかもとか、いろんなモチベーションやテンションの人がいていいと思うんです」。それぞれの表現を認め合いながら、自分のスタイルを探求していく。彼女をブレイキンの世界に引き込んだのは、ダンスの魅力だけでなく、何にも縛られない自由な在り方。
さらに、Amiさんは個人の活動に加え数名のチームとしても活躍している。加入した当初、彼女にとってのクルーは、団体戦で“勝ち”にいくためのものだった。しかし、日々の練習や遠征で共有する時間が増えていくにつれ、それ以上のものになる。「今は、私の帰る場所。ソロバトルの時も、クルーの一員としてメンバーの想いを背負って戦うし、ほかにも今までお世話になった人や共に練習してきた人たちと一緒に踊っている感覚です」。ブレイキンがあらゆる壁を超えた共通言語となって、Amiさんと世界をつなぐ。それらは勝者のトロフィーだけでなく、人との関係や一人の女性としてのスタイルをもたらしてくれる。
カルチャーとスポーツ
未来への相互作用
国際大会の“競技”として採用されたスケートボードやBMX。そして、新たに追加されたブレイキン。ストリートを舞台としたカルチャーが進出することで、スポーツの定義もさらなる広がりを見せる。世界での日本人の活躍もあり、ダンサーであるAmiさん自身もその変化を感じているという。「ちょっとアンダーグラウンドなカルチャーが注目されてきて、今までブレイキンを知らなかった人が応援してくれるケースも増え、見る目が変わってきてるなというのは今すごく感じます」。ブレイキンが持つ競技としての側面と、カルチャーとしての側面。今のAmiさんにとって、ブレイキンはどのように映っているのだろう。「今は、本当に勝ちたいと思ってやっています。それも自分のスタイルで。この技だったら勝てるかもというのがあっても、自分が挑戦したくないことをやって勝っても嬉しくないから。でも長い目で見たら、ずっとBgirlでいたいなと思っています。大会に出なくなっても、練習を全然しなくなっても、たまにサイファーしに行ったり、イベントを覗いたり、音楽に合わせてちょっとステップを踏んだり。そういう風にして、楽しく踊ってられたらいいなって。私の中では、Bgirlに引退はないんです」。彼女は、自分だけのスタイルで周りの人々、クルーのメンバー、そして日本を背負って世界を舞台に戦う。しかしアスリートとしての真剣な視線の奥にあるのは、初めて技を決めた時と変わらない、純粋にダンスを楽しむAmiさんの姿。スポーツとカルチャー、2つの距離がどんどんと近づく中で、両者に通づる自由で制限のない本質の部分が、互いの可能性を高め合っていく。
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