Monthly Cosmology
Mar, 2025
Feb 28, 2025 / HOROSCOPE
西洋占星術師の淡の間による
月間宇宙論2025


今月からスタートした新連載「マンスリーコスモロジー」は、西洋占星術の観点から考察する天体の影響が地上に住む私たちに対してどのように現れるのか、まるで“宇宙の風向き”をチェックするみたいに楽しんでもらえますように。
TEXT_Aynoma
PHOTO_Sayuri Yamada
EDIT_Yoshio Horikawa, Maria Ito(PERK)
3月の星模様
3月、春分をまたぎながら新しい季節に向けて助走をつけていく時期。2024年の後半から、あなたの身の回りをざわつかせていたいろいろなことがようやく着地しそう……。と思ったのも束の間、3月2日(日)から始まる金星逆行や15日から始まる水星逆行によって、4月の半ばまではひと波乱起きそうな予感。普段は頼りになる野生の勘が鈍り、せっかちになったり、空回りが多発したりしやすいでしょう。3月14日(土)の満月は、いつもより気分が塞ぎがちになる人も。こんなに頑張っているのだから、あまり自分を追い込まないであげて。
その一方、運命のイタズラのような出会いが起こりやすいのもこの時期。「あなたに出会うために生まれてきたのかもしれない……」と、頭の中でポエムが浮かぶような愛のストーリーがあちこちで誕生しそうです。3月29日(土)の新月は部分月蝕。2025年のなかでも数ある運命の分岐点で、のぼせている頭を整理しながら現実の問題をクリアにしましょう。過去にやり切れなかったことも、今の自分なら向き合えそうな手応えを得られるはず。過去は過去、今は今という切り替わりの境界線を引く。

水星と金星がもたらす運命の点検
水星と金星の逆行が同時に起こることで気をつけたいのは、人間関係を通して生まれるあらゆるコミュニケーション全般に関わることです。移動での交通トラブルや連絡の間違い、スケジュール漏れにまさかのリスケ、イレギュラーなトラブルに振り回されないように。人生を左右するような契約ごとや入籍、開業に関わることなども普段以上に慎重に行ってください。
逆行中の天体がスクランブルしていく3月15日(土)から4月7日(月)までの時期は、特に念入りな確認を要します。移動の時間や見積りなども含め、さまざまな情報の精査を抜かりなく。「なんとなくそう思った」ではなく、情報の裏付けや丁寧な確認、声がけが大切。勘違いが原因のケアレスミスをなるべく予防して過ごしましょう。悪気のない軽はずみなひと言が失言につながり、炎上することにも注意したいところ。 一方で私にとっては春といえば全天体順行期間があるぞ! と少しワクワクします。ここからが、ようやく一年の始まりだと思えるからです。正直、個人的には一粒万倍日とか宇宙元旦よりもアツいトピックなのですが、その時期は年によってまちまち。2025年は2月25日(火)から3月1日(土)まで(※1回目はすでに終了)と、4月14日(月)から5月4日(日)までの数日間のみという非常にレアなイベント。全天体順行期間は文字通り「すべての天体が同じ方向に向かって歩みを進める時期」のことですが、水星逆行とか順行とかたまに聞くようになったけれど、今一つ不明という方も多いと思うので補足説明をしてみようと思います。実は「天体の逆行」とは物理的に天体が逆走しているわけではなく、軌道の周回上で起こる錯覚現象のようなものですが、占星術的には“運命の流れの点検、監査の時期”と捉えることができます。
実生活でもなんらかの「点検」があると強制的な変更、一時中止、いつも通りに行かないことが起こったりすることもありますよね。流れを見直した結果、中断されていたことが良い形で再開したり、還付されたり(!)、過去の再来・再出発的なことがあったりと、悪いことだけではなく結果的に物事がアップデートされるという良いことも起こります。

前向きなトライ&エラーに取り組もう
それに対して「順行」とは、すべての天体の意識が万全な状態で同じ方向を向いているので、物事が順序よく非常にスムーズに進みやすく、何かを始めるにしても順序よく運ばれやすいと考えられます。逆行を通して点検して、順行になったら点検の結果を見直して、人生をアップデートしていく。このような感じで運命は動いています。
街を歩くとさまざまな場所で工事が行われているように、年間を通して大体の天体が逆行しているので、逆行していない時期にこだわる方が難しいもの。ですが、“全天体順行期間の新月”という節目は年間の中でも一度か二度くらいしかやってこない特別なタイミングとなんだかワクワクしてきませんか? ちなみに、今年の残るその日は4月28日(月)。一過性のブームではなく、長く着実に続いていく地熱のような結果をつかみ取るために自分の殻をポジティブに破っていく良き始まりの日。新しく物事を始めるにはとても良い日ですし、「これまでの数ヶ月はあくまで準備運動で、2025年はここから始まる!」と言っても過言ではないでしょう。
つまり、この3月は4月末からGWに向けての時期に向けていろいろなことを整理していくトライ&エラーの時間。ちょうど逆行でバタバタする期間が年度末&新生活準備と重なるため、さまざまなところで混乱(!)が起こりそうなのが少し気がかりではありますが、もう少し頑張ればいいことあるかもって自分を励ましたり、万が一何かあったら「淡の間もああ言ってたし、みんな一緒に頑張っている時期だし」と思ったり、上手に自分の機嫌を取りながら過ごしましょう。読んでくださった皆さんにとって、素敵なことがたくさん起こりますように。

PROFILE
淡の間(あわいのま)
西洋占星術や西洋神秘学、タロットカード、ヨーロッパ発祥の自然療法などを学び、オリジナルのカウンセリングや講座などを展開しながら地球を修行中。占いのほか、コンセプト監修や文章も執筆。「GINZA」のWEBサイト、「kufura」などに連載を持つ。
@aynoma.jp
STORY of PHOTOGRAPH
TEXT_Sayuri Yamada
3月は私が地元の京都から東京に来た月で、毎年この時期になると上京して何年目かを思い出します。都内をよく散歩するのですが、東京に来たばかりの頃、浜松町駅のビル群越しに目にした夕焼けがとても綺麗でした。今回の写真は“私の中の東京”を表現したく、その浜松町と今私が住んでいる練馬で撮影しました。時間帯は16時から17時頃。真冬よりも日が長くなり、少しずつ春が近づいているのを感じられるのが嬉しくて、この時間の光を選んでいます。