Monthly Cosmology
July, 2025

Jun 25, 2025 / HOROSCOPE

西洋占星術師の淡の間による
月間宇宙論2025

月いち公開の連載コンテンツ「マンスリーコスモロジー」。西洋占星術の観点から考察する天体の影響が、地上に住む私たちに対してどのように現れるのか。まるで“宇宙の風向き”をチェックするように気軽にお付き合いください!

TEXT_Aynoma
PHOTO_Hinato Nishitani
EDIT_Yoshio Horikawa, Maria Ito(PERK)

7月の星まわり
 7月3日(木)、てんびん座の位置で上弦の月。心の呼吸がしやすくなる。緊張状態にあった関係性の微調整と見直し。
 5日(土)、金星がふたご座位置へ移動。同日、海王星が逆行を開始。12月10日(水)まで。軽やかな好奇心が芽吹く一方で、曖昧だった夢や憧れに対して「よく考えるように」というメスが入り、再考を迫られたりしそう。
 7日(月)、天王星がふたご座位置へ移動。日常の前提や基本ツールの刷新。社会の新常識がアップデートされていく7年間が幕を開け、新しい風が心の窓を吹き抜けていく。
 11日(金)、やぎ座の位置で満月。昨年の冬から年明けにかけて二度起こったやぎ座新月。その半年後の着地点やいかに。冬にまいた種の「今」が照らされる。結果を見つめ直し、静かに次の目標に向けて覚悟を決める。
 13日(日)、土星が逆行を開始。11月28日(金)まで。進行中のいろいろなことに対し、「ちょっと待った!」と手直しが入る。
 18日(金)、おひつじ座の位置で下弦の月。迷いを払うかのように「原点」を確認する。続けて、しし座の位置で水星が逆行を開始。言葉と行動は一拍おいて選ぶように。
 25日(金)、しし座の位置で新月。心の中に火が灯るような始まりの日。やりたいことには正直に向き合うと決めたあなたを祝う点火式。
 30日(水)、おひつじ座の位置でカイロンが逆行を開始。忘れかけていた過去の痛みが静かに暴れ出す。
 31日(木)、金星がかに座位置へ移動。人に優しくされて年甲斐もなく泣けてくる。そこでようやく、いろいろを背負い過ぎてたことに気づいたりする。

7月の星模様
 夏が始まりました。太陽がジリジリと迫り、日に日に暑さが増していきます。6月21日(土)から7月22日(火)までは、かに座エリアを太陽が通過していくシーズン。生活面の見直し、安心のありか。身の丈に合った自分なりの丁寧な暮らしを意識したい時期。かに座は水の質を司るサインですので、身体のむくみや冷えには気をつけましょう。晴雨兼用の折りたたみ傘が例年以上に欠かせない日々。ついつい冷たい食べ物や飲み物に手が伸びますが、少し先の未来のあなたのことを慮る選択を。選べるのならアイスよりもホットにするとか、お腹を壊さないように腹巻きをするとかが大事。
 かに座エリアへと12年ぶりにお目見えした木星の影響も受けてか、おめでたい報告が増えるかも。おめでたい報告というのは、家を買うとか、ポジティブな引っ越し(転職)とか、家族を迎える・家族になるとか、家族や自分が所属しているチームの誰かに嬉しいことが起こるとか、そういうことです。過去12年間の自分の歩みを振り返って、感慨深くなる人も多いかもしれません。
 社会情勢も含め、日常が大きく揺らぐ時期はこれからも続きます。だからこそ、この時期にご縁があった人や環境は大切にしたいものです。
 特に騒がしいのは、7月の1週目から11日(金)の満月に向けての数日間。昨年末からのいろいろが整理されていくばかりでなく、静かに腹をくくらされるような場面が増えます。さらにくくったら最後、一気にいろんな物事が進んでいくでしょう。なかなか首を縦に降ってもらえなかった案件の承認が下り、「ようやくここからが始まり」となるような切り替わりの時期とも言えそうです。人生のケジメをつけるような瞬間に立ち会うことも。その結果、あっちこっちで驚きのニュースが飛び交う気配あり。
 ある意味、必要に迫られた状況でこそ、忖度のない取捨選択を行えるかもしれません。さて、今のあなたにとって思い浮かぶ人やモノはなんでしょうか?

例年お決まりの「天体逆行祭り」
 7月は続々と天体が逆行に転じる「運命の点検祭り」。天体の逆行とは、星たちが実際に軌道を逆走するのではなく錯覚のように見える現象ですが、まるで運命のいたずらや点検、見直しや振り返りのような出来事が起こったり、素直に進みづらくなったり、はたまた過去の案件が再燃しやすくなります。
 例年、夏から秋にかけては天体逆行が相次ぐスクランブルシーズンに突入し、バタバタしているうちに冬へ向けて徐々に天体たちが点検を終えていくという流れはお決まりなのですが、春に始まったいろいろな案件が起承転結の「承」、ないしは「転」のごとく、ブラッシュアップしながら展開していくと捉えてみてください。
 年に3回起こる水星の逆行は、今回はしし座で起こります。気象予報士ではありませんが、暑い夏になりそうです。しし座の水星のムードは、普段よりも自己主張が強めになります。もしも今回の逆行でケアレスミス、遅れ、予定変更が起こった場合は言い訳などせず素直に謝りましょう。
 2025年の逆行祭のテーマは「再挑戦の準備」。勢い勇んで出発したものの出鼻をくじかれたり、文字通り過去の自分が手をつけていた案件が再燃したりと、軌道修正を行いながら万全のチーム体制で作戦を練り直します。多少の失敗は擦り傷と経験値。めげずに次、次!
 今までの自分だったら引け目を感じていたことや、決め手に欠けて考えあぐねていたこと、正面から向き合いきれなかったことに対して満を持して対峙することが増えますが、追い込まれると正直、他責の思考が現れる場合もあるでしょう。
 しかしこの時、「あなたはどうしたい?」と聞かれたら「どっちでもいい」という選択肢はないかもしれません。なぜなら、自分の意志で人生の主導権を取り戻す必要があるからです。
 どんなことを選んでもいい。どんな結果になっても、あなたにとって良い選択を選べますように。そして、そんなあなたにとって安心できる環境が身の回りに整っていますように。

PROFILE

淡の間(あわいのま)
西洋占星術や西洋神秘学、タロットカード、ヨーロッパ発祥の自然療法などを学び、オリジナルのカウンセリングや講座などを展開しながら地球を修行中。占いのほか、コンセプト監修や文章も執筆。「GINZA」のWEBサイト、「kufura」などに連載を持つ。
@aynoma.jp

STORY of PHOTOGRAPH

TEXT_Hinato Nishitani

蒸し暑くなかなか寝付けない今日この頃、夏が楽しみでもあり暑いのも嫌だなと思う、そんな7月。最近昼夜が逆転しがちなのですが、そんなある日の朝焼けがとてもきれいで。この朝焼けを海で見たいなと思い、次の日に友人を無理やり連れて午前2時に都内を出発しました。行き着いた場所は人がなかなか踏み入れない場所で、まだ若干薄暗いなか、草木をかき分け蜘蛛の巣を被りながら海を目指しました。たどり着いた先には、今までの苦労が報われるような、そんな景色が広がっていました。僕と友人は疲れを忘れ、夢中でシャッターを切っていました。そんな旅でのひとコマです。

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