Inner Thoughts #03
岡ゆみか
Mar 11, 2024 / FASHION
「着ることを好きになってほしい」
“余白”がもたらすファッションの醍醐味
ブランドのディレクターやデザイナーたちのクリエイティブの源泉にフォーカスする連載コンテンツ「Inner Thoughts」。今回、話を聞いたのはミリタリーやワークといったヴィンテージの要素を取り入れつつも、女性らしいエレガントなスタイルを提案する〈アンスクリア〉のデザイナー、岡ゆみかさん。彼女のファッションのルーツやインスピレーション源を紐解きながら、2024年春夏シーズンのコレクションについて伺った。
PHOTO_Daiki Sekimizu
EDIT&TEXT_Yoshio Horikawa(PERK)
PROFILE
着る人の気分や感性に委ねる
あえて正解を作らないブランド
――以前より、ヴィンテージなどのメンズスタイルの解釈から生まれたコレクションを発表されています。いつ頃から古着やメンズウェアが好きだったんですか?
「小学校からずっとバスケットボールばかりやっていたので、高校3年生で部活を引退するまではファッションにあまり興味がなくて。ただ、あらためて思い返すと両親が結構おしゃれというか、2人の昔の写真を眺めるのが好きだったんですよね。具体的にどんな服を着ていてというよりも、あくまで感覚的なことではあるんですけど、父と母の影響を受けているのかなって思います。ちょうど服飾専門学校の入学を機に上京して、そこから古着屋に足を運んだりメンズ雑誌を見たり。就職先も〈ネペンテス〉だったので、当時からアメカジが好きだったんだろうなって思いますね」
――余白ということですが、岡さんが作られる服にも自由度のようなものを感じています。ミリタリーとはこうあるべき! みたいにマニアックな方向に掘り下げすぎないのが、女性らしさにつながっているのかもしれないですね。
「古着をそのままリプロしたいわけじゃなくて、今の時代の空気感だったり私が思っていることだったりをミックスしたいと考えているので。やっぱり古臭いものになってしまうよりかは、現代の人に合わせたファッションを提案したいですし、何十年後か何百年後に誰かが〈アンスクリア〉の服を着た時に、2010年代、20年代の時代背景なんかを感じてもらえればいいなと思います」