とことん自己チューに楽しめる
大人女子ひとり呑みのススメ

最近の私が(いつもコロコロ変わるので)ひとり呑みを楽しみたいと思うシチュエーションは、“頭の中を整理したい時”。
サウナ時間と少し似ているかもしれません。脳内も心も整うためにほろ酔いというプチバグを求めて、今宵もひとり呑み道を邁進します!
新米エディターMizumoが“INDEPENDENT GIRL”にとっておきの一軒を紹介するコンテンツ。
連載第4回目は炎天下の過酷すぎるロケハン終わりに、渋谷の「立呑 富士屋本店」に逃げ込むようにピットイン!🥵

PHOTO_Sayuri Yamada
EDIT&TEXT_Mizumo Uehara (PERK)

災害級レベルの猛暑日が続いていますね。暑すぎるのは勘弁ですが、夏のイベントごとは大好きです。
特にお祭りの雰囲気が最高で、プラカップのハイボールを片手に紅ショウガたっぷりのパック焼きそばを頬張ることが、
私の夏のビッグイベントです🎐🎆

夏バテ回避として駆け込んだものの、もうすでにダウンムード気味……。体力だけでなく心もまいってしまいますよね。今回は「スタミナがつく、さっぱりとした魚料理が食べたい! 」という小さな願望を叶えに、渋谷の桜丘に位置する「立呑 富士屋本店」でしっぽりとひとり呑みを実施。

満足度が高すぎるひと口海苔巻きは、
夏のお酒の代名詞! すだちサワーとともに

 以前より気になっているメニューで、こちらの名物でもある「鰯の海苔巻き」(¥850)をオーダー。シンプルにお刺身にするか迷いましたが、シグネチャーとあれば頼まずにはいられないですよね。メニューにマーカーやスタッフのおすすめ! などが書かれているものは無意識にチョイスしてしまうタイプです。カウンター越しに、お兄さんが巻きすの上にきれいに海苔、イワシ、ネギ、ミョウガ……と具材をオンしていき、グッと絶妙な力加減でおなじみのフォルムに。巻きたてほやほやを食べたいところでしたが、その前にドリンクを! お酒の種類も豊富で悩んでいたところ、「夏なので、旬のすだちサワー(¥660)が最高ですよ」と店長の酒主涼介さん。「じゃあそれで! 」と食い気味で即決。すだちは自分で絞って追いすだち! ロケハン後の疲れた体にとっても沁みる……(幸)。マドラーまでかわいくて、女子の心わかってますね。さて、お待ちかねの海苔巻きは、人目なんて気にせずにひと口でいただきます。ふっくらした新鮮なイワシに主張しすぎないシャキシャキの野菜たちが、パリッとした海苔にホールドされて一体感がハンパない! 贅沢なひと口でした。余韻に浸りながらすだちサワーを流し込む、至福のサマータイムです。

新革命、ポテサラ魚Ver.!

 次に注文したのは「鰻のポテサラ」(¥700)。なんとなく惹かれて頼んでみましたが、配ばれてきたそれは想像を上回るビジュのよさ。崩すのを躊躇してしまうほど、きれいに積み上げられた具材を慎重に突きながらいただきました。塩気と甘みを感じる正体は、しば漬け、酒盗クリームチーズ、リンゴが入っていて、その頂きに甘ダレがかかったウナギが。ポテサラって、キリッとコショウがきいたゴロゴロずっしり系のものもあれば、シンプルにハムとキュウリが入ったマヨ味強めのものとさまざまですよね。こちらのポテサラはそのどちらでもなく、そのうえどこにも属さないインディペンデントな逸品でした。

オリジナルの日本酒を片手に
オーロラ色に光るレアフライでとどめを……

 魚料理のオンパレードということもあり、そろそろ日本酒が飲みたくなってきました。普段は滅多に頼まないのですが、“富士屋本店”とデカデカと印字されたラベルを見てこれは間違いないだろう! と確信。オリジナルの日本酒(¥660)なので、ここでしか味わえない特別な一杯。酒主さんに注いでいただき、クイッとひと口。フレッシュさを感じつつも、旨みがじわじわとやってくる……。久しぶりの日本酒はカッと開眼するような感覚で、夏バテも余裕で吹き飛ばしてくれました。本日の締めに選んだのは「鰹のレアフライ」(¥750)。キラキラ光るカツオの断面、わかりますか? 大ぶりのカツオに薄く繊細な衣をまとい、揚げものであることを忘れさせてくれる……。塩だけでもよし、タルタルをつけてももっとよし! 反則級のおいしさに絶句しました。

 “常連客から愛される店”をモットーに、昔ながらのおつまみと若者の心にもグッと刺さるような新メニューを日々開拓している「立ち呑 富士屋本店」。常にお客さんの声をいちばんとし、寄り添うことを忘れない。当たり前であるように聞こえることを手を抜かずにやり通す、シンプルで難しいことを守り抜く姿が、誰にとっても居心地のよいお店づくりの基本となることを酒主さんから学びました。人によってはネガティブ要素である立ちっぱも気にならず、活気に溢れていてつい長居したくなるのも魅力。昭和レトロな雰囲気のなか、魚が主役の創作料理を堪能したいのであればここしかない!

東京都渋谷区桜丘町16-10
TEL_03-6455-2473
17:00〜L.O.21:30
土曜 16:00〜L.O.21:00
日・祝 16:00〜L.O.20:00
無休
@tachinomifujiyahonten