とことん自己チューに楽しめる
大人女子ひとり呑みのススメ
ありがたいことに、友人から「PERKがきっかけで私もひとり呑みデビューしたよ!」という嬉しい報告をもらいました。素直に感激です。
新米エディターMizumoが、“INDEPENDENT GIRL”にとっておきの一軒を紹介する「DRINKING ALONE」。
連載3回目は、この日約束していた飲み友には内緒で0次会を開催すべく、幡ヶ谷の「タイ料理 ミャオミャオ」にフライング入店!
PHOTO_Sayuri Yamada
EDIT&TEXT_Mizumo Uehara (PERK)
「好きな食べ物は何?」という質問が私はいちばん困ります……。
その時のブームだったり気分だったりでコロコロ変わってしまうのでめちゃくちゃ悩むのですが、
唯一昔から飽きずに好んでいるのが香味野菜。母がパクチーやミョウガ、シソといった名脇役が大好きなこともあり、
パクチーは20年くらい偏愛しています🌿

今宵のお店選びの決定打としては、シンプルに「タイ料理で呑みたい! 」その一心でした。ランチで何度かお邪魔しているので、ディナーメニューもめざとく織り込み済み。なんと言っても“タイ薬膳ハイボール”を目にした瞬間、絶対に呑みに行こうと心に誓っていました。


ほかではなかなか味わえない
タイを存分に感じられる薬膳ハーブ酒!
冒頭にも書きましたが、ランチのみの数量限定で提供されるカオマンガイを食べに行った際に、ふとポップなメニューが目に留まり、そこには“タイ薬膳ハイボール”なる名前が。気になって仕方がなく絶対に再訪すると誓った矢先、早速実現することができました。有言実行!
エレベーターで2階に上がり、扉が開いた瞬間すぐに「タイ料理 ミャオミャオ」の店内へ。カラフルな色使いの内装が私好みで、いつもワクワクさせられる! 入ってすぐ左手にはセラーがあり、ワインやタイの“シンハービール”などがずらっと並んでいます。このあとの飲み会の時間が迫っているので、そそくさとカウンターに着席。目の前には猫のステッカーや“タイみ”を感じるユニークなステッカーが乱雑に貼られていて、つい凝視してしまいました……。
さて、時系列が前後してしまうのですが、最初に目当てのお酒をご紹介。言わずもがな「タイ薬膳ハイボール」(¥780)をひとまずオーダー。カウンターの頭上にある透明の大瓶がウワサの薬膳酒。創業65年のタイにある老舗の漢方屋でブレンドしているそうで、なんと8種類もある! 迷っちゃうよ〜と思ったのも束の間、それぞれの効能もわかりやすく書かれていてキャッチーなワードで選ぶのも楽しい。私は薬膳酒ビギナーなので、王道の「苗苗ブレンド」に! ハイボールというよりかは、厳密に言えば焼酎のソーダ割りだそう。なんとも言えない絶妙なクセがあるけど、後味はさっぱりとしているので飲みやすく、どのタイ料理にも合うと確信。お酒を飲みながら健康も意識できるなんて優秀すぎるし、いちばんオーダーが出るというのも納得! 「タイの薬膳酒は仕入れるのが非常に難しく毎度苦戦しています」とオーナーの宮尾祐平さん。そんな事情まで聞いてしまったら、もう浮気できないです……。タイ料理好きならこれを片手に料理を楽しむのが、まさに完璧のシチェーションですね。
続いて2杯目は、宮尾さんおすすめの「生タイハーブサワー」(¥720)のレモングラスをチョイス(ほかにもグラチャイ、パクチーの2種もありました)。1杯目とは打って変わって万人ウケするお酒。フレッシュ加減がついつい何杯でもおかわりしてしまいそうで、料理の邪魔をせず主張も強すぎない、“いい距離感”のサワーです。こういうお酒ほど、無限ループで無意識に欲しちゃいますよね。飲み物とはいえ、主役級の存在感。序盤から興奮冷めやらぬ幸せな気持ちになりました。

タイスタイルのねぎトロ!?
好奇心がくすぐられる逸品
前菜は「ミアンねぎトロ」(¥750)をいただきました。タイ風のねぎトロだなんて聞いたことない! と好奇心から即決。タイハーブの葉っぱでねぎトロを包んで食べるもので、包んだ時のフォルムがなんとも愛らしくパクッと片手でいけるのもポイント。冒険しに行ったつもりが、なんだか安心する親しみのある味。サク飲みにちょうどいいひと品です。

これぞタイ! ど直球にハートを射抜かれた
フードメニューの数々を紹介
ねぎトロを楽しんでいる最中、次々とカウンターに運び込まれたのが「トードマンプラー」(¥790)と「ラープガイ」(¥960)。もう何のメニューなのかわからないと思いますが、タイ料理は未知なものを頼んでみるというエンタメ的な要素も魅力の一つ。先にいただいたのが魚のすり身を揚げた、さつま揚げのような「トードマンプラー」。重すぎることもなく程よいボリューム感で、大好きなスイートチリソースと一緒にいただきました。鶏ひき肉のサラダの「ラープガイ」は、ピリッとしたスパイスがアクセントになっていて、辛い辛い! となりながら「生タイハーブサワー」でグビッと流し込む瞬間がたまらなく最高でした。

店名の「ミャオミャオ」の由来は、宮尾さんが修行でタイに訪れた際に名前を“ミャオ”と聞き間違えられたことがきっかけで名付けられたそう。「日本人がゆえに丁寧に忠実に料理と向き合っていたら、少しずつ日本っぽいタイ料理になってきたかもしれない。でも本格的なタイ料理をベースとすることは変えずに、ナチュールワインをセラーから自分でセレクトできたりと、タイの方でも楽しんでもらえるひと工夫を心がけてます」。実際に現地の市場で買い付けたチェック地の布やタイを象徴する壁画や調味料など、ところどころに本場の要素がたっぷりと詰め込まれていました。もう一つの魅力として、写真でもわかる通りスタッフさんの話がカジュアルで面白い! 気さくで親近感の湧くナイスなお兄さん。おいしいだけでなく、しっかり心もフル充電できました。
ふとスマホを見ると「今どこ?」と友人からLINEメッセージが……! 名残惜しい気持ちを抑えつつ、ドタバタとお会計。16年間、タイひと筋の宮尾さんがつくる「タイ料理 ミャオミャオ」は、オープン4年目にしてフーディが集う幡ヶ谷エリアでも、客足が途絶えることのない話題の繁盛店。やみつきになる本場の味にユーモアなスタッフさん、自分好みの雰囲気と、わざわざ足を運びたくなる理由は十分。今後のアップデートにも期待大です!
東京都渋谷区幡ヶ谷2-1-2 ザシティ渋谷幡ヶ谷2F
TEL_03-6383-3222
11:30〜15:00、17:30〜23:00
水曜休
@myaomyao_hatagaya
※1名の予約は受け付けていません。