Luna’s Photo Essay

🇬🇧London COLUMN

September, 2026

Sep 07, 2026 / CULTURE

誰でも出合いうる偶発的に生まれる幸せなできごとも、心に隙間がないと新しい感情や気づきを得られない。ロンドン在住のフォトグラファー、ライターの山田ルーナさんに、日常のワンシーンをシャッターに収めてもらった。日本では見ることのできない景色を届けてもらう、連載「Luna’s Photo Essay🇬🇧London COLUMN」。夏の余韻を残したまま、突然季節が秋へと表情を変えたロンドン。街角で見つけた小さな物語や、二度と出合えない一瞬の景色を拾い集めながら、過ぎゆく季節に思いを馳せる。名残惜しささえも愛おしく思えたなら、きっとそれは素敵な季節だったということ。ハローとグッバイを繰り返しながら、今日も街と季節は移ろっていく。

PHOTO&TEXT_Luna Yamada
EDIT_Mizumo Uehara(PERK)

PROFILE

山田ルーナ/フォトグラファー、ライター

@ymdluna
4歳から音楽の奥深さに触れ、大学生までクラシックピアノに傾倒。その後、趣味だったカメラの腕をストリートフォトで磨き、ポートレート撮影を中心に本格的に始動。“本当にやりたいこと”が見えてきた今、潔い方向転換を遂げ、2025年春からロンドンに拠点を移す。フォトグラファー、エッセイやコラムを中心に執筆を行うフリーランスライターとして活動している。

出かける前、どっちが先にピンクを着たのかな。「また真似してる」って笑いあったりしたのかな。

光があるから影が好きで、影があるから光を好きなのだと思うけど、それをたまに忘れそうになる。

夕暮れ時の飛行機、秋に向かって飛んでいくみたい。まだもう少し夏にいたくて、シャッターを切った。

シャンパンとジャズと、ミニスカートと大きなリボン。大人っぽさと少女っぽさがぎゅっと詰め込まれて、子供の頃に見た夢みたい。

観覧車を待つ人々。観覧車って嫌いな人とは乗らないと思う。家族でも友人でも恋人でも、きっと、みんな好き同士だ。


赤信号を颯爽と渡っていく女性、ちょっとカッコいい。
みんなで渡れば怖くない、はカッコ悪い。そもそも赤信号は渡っちゃいけないものだけど、ね。

街中でふとフレームに出合うことが好き。窓やドアの向こう、ビルの狭間。一度きりしか出会えない絵画のよう。

赤いビニールテープがよく効いている。誰かの工夫か、偶然か。ここだけ切り取れば花束にも見えちゃうね。

Essay #7

 突然、秋になった。なってしまった。ゆるやかに移ろうのではなく、本のページをめくるみたいに、朝目覚めたらそこは突然秋だった。秋が嫌いなわけではない、むしろ好きだ。イギリスの秋が特別美しいことを私は知っているし、お洋服も食事も、楽しみがたくさんある。それでは、なぜ秋に“なってしまった”と感じるのかというとそれはやはり、この夏が素晴らしかったせいだろう。見た景色、聴いた音や交わした言葉、冷たさや温もり、全部宝物みたいにきらきらした夏だった。すべての夏がそうであるように、この夏はもう帰ってこない。秋になったことでその実感がより一層伴ってきて、ただ私は寂しいのだ。一方で、季節に別れを告げる寂しさを覚える自分を、どこか嬉しくも思う。この秋も、別れを名残惜しく感じる季節であってほしい。そうやって私たちは、季節をまわり続ける。ハロー、グッバイ。ハロー、グッバイ。

Luna’s Photo Essay🇬🇧London COLUMN 一覧