“INDEPENDENT GIRL” SNAP!!!
Jul 10, 2025 / FASHION


誰かの正解に頼らず、好きなものを自分の視点で選ぶこと。スタイルは、服以上にその人の“今”の姿勢や哲学を映し出す。この企画では、“INDEPENDENT GIRL”たちのスナップを通して、自分らしくあることの魅力を掘り下げる。自由でしなやかで、ちょっとハンサム。そんな彼女たちの、スタイルの現在地を覗いてみたい。連載第4回目は、豪徳寺にあるヴィンテージショップ「OHWER」の大和由佳さん。
PHOTO_Haruki Matsui
EDIT_Maria Ito(PERK)

PROFILE
大和由佳
@ohwer_
東京世田谷の豪徳寺駅と山下駅のちょうど中間に佇むヴィンテージショップ「オーワ」のオーナー。1年半ほど前にオープンして以来、世界各国からセレクトしたヴィンテージアイテムを展開。なかでも、袖を通すだけで気分が高揚するような、ポジティブな空気感を持つアメリカンヴィンテージに惹かれ、どこかユーモアを感じさせるスタイリングが魅力。


01_時代を旅するように軽やかにまとう
このスタイリングの主役は、淡く色褪せた時間のレイヤーたち。ボタニカル柄のベストは、1950年代のメンズもの。華奢なラペルがクラシックで女性らしい。対してボトムスには’80年代のワークパンツをチョイス。武骨で実用的なディテールが、繊細なベストとのコントラストを描き、その合わせは大和さんのセンスが光る。淡いトーンで統一されたスタイリングは、やさしくも凛とした空気をまとい、心地よい余白を残す。「大量生産ではないこと、時代を超えて今もなお美しく存在していること」。そんなヴィンテージ特有の背景に魅せられて選ばれた服は、単なる古着ではなく、彼女の感性と美意識が通った静かな主張を放っている。アクセントとなるのは、〈グッチ〉のメガネと〈エルメス〉のシューズ。現代的なムードを添えながら、大人の品格で全体を引き締めた。

02_縛りのない服と縛られない感覚
‘00年代にリリースされた〈マルタン マルジェラ〉のアシンメトリーブラウスは、着方に決まりはなく脚を通すべき場所に腕を通してみたり、既成のスタイルを軽やかに裏切る自由さが宿っている。合わせたのは’80年代のユーズドショーツ。グラフィカルなスター柄が、どこかノスタルジックで愛らしい。少し勇気のいる丈感だけれど、今は足元にロングブーツをセレクトすることで、むしろそのミニマルなバランスが心地いい。年齢や常識、誰かの目、かつて自分を縛っていたものがふと解けた今、「好きなものを好きなように着る」という純粋な感覚が戻ってきた。キーカラーは、“ハンサム”という言葉から自然と思い浮かんだブラック。力強く意志を秘めたような黒を、今の気分をまとう。