MY UNIFORM Vol.8
BOOT T-SHIRT
Kaori Asawa /
「HART」Owner

Oct 31, 2022 / FASHION

“私らしさ”がビビッドに表れた
スタイルのある女性たちのユニフォーム

トレンドと程よい距離を保ちながらマイスタイルを楽しむ“INDEPENDENT GIRL”が、昔も今もずっと身につけている服。そんなユニフォームのような存在のアイテムは、彼女たちのセンスや気分、何よりファッションに対する愛に満ちている。今回はヘアサロン「HART」の浅輪香織さんに、音楽や映画、ドラマのブートTシャツを紹介してもらった。

PHOTO_Yoko Tagawa
FILM_Kouki Hirano
FILM EDIT_Kenta Ogo
EDIT&TEXT_Yoshio Horikawa, Maria Bun(PERK)

BOOT T-SHIRT
Kaori Asawa  / 「HART」Owner

自分しか持っていないと考えると、
なおさら特別な存在になります

 アーティストや映画、ドラマといったブートTを着るようになったのは、例えば映画を観ていいなと思ったら、次の日もその作品を楽しみたいなというシンプルな動機です。ライブに行ったらその日にプロモーションTを着たくなるのと一緒だと思います。なので、よっぽどデザインが気に入った場合を除いて、観てから、聴いてから手に入れるようにしています。音楽は一つのジャンルに絞りづらいんですが、ポップスやR&B、ソウルにインディーズロック、バンドなどを聴くことが多くて、キャッチーな曲というか初めて聴いた時に耳に残る楽曲が好きですね。わかりやすいのが好みなのかもしれません。
 今日持ってきたものもそうなんですけど、ブートTは友達につくってもらうことがほとんどで。このアーロ・パークスのTシャツも「今度撮影があるからお願い!」って無理を聞いてもらって(笑)。昔は古着屋で探すこともあったんですけど、最近はなかなか足を運べていないですね。選んだりお願いしたりする際のポイントとしては、色みとボディの形。パキッとしたカラーに惹かれることが多くて、今回はオーダーしたTシャツが多いので白と黒のボディが大半ですけど、ビビッドな色も好きですね。だいぶ涼しくなってきたので、これからはロンTですかね。真冬でもサロンワークの時に着ようと思うんですけど、お客さんから「寒くないんですか?」って聞かれて、それもなんだか恥ずかしいなって(笑)。そんなこともあって、春と秋が登場回数が多いですかね。夏はTシャツを着ることはほとんどなくてタンクトップばっかりで……。ファッションアイテムの中で、タンクトップがいちばん好きなんです。ヤバい、マイユニフォームがブレきてました(笑)。そもそも人と被りたくないというのも、ブートTにハマった理由として大きいです。やっぱり自分しか持っていないと考えると、なおさら特別な存在になります。最近は「それどこの?」って聞かれることも多くなって、少し恥ずかしい反面嬉しいですね。

ドラマ『ハイ・フィデリティ』のTシャツ。主演としてレコード店のオーナー役を務めるゾーイ・クラヴィッツが好きで、たまに観返してはテンションを上げています。彼女の音楽性にも惹かれていて、この作品のサントラをサロンワーク中に流すこともあるくらいです。

アーロ・パークスのTシャツは、グラフィックデザイナーの友人につくってもらいました。顔写真がイラストっぽくアレンジされ、何かのインタビューで使われていた手描きのメッセージや「TOO GOOD」という楽曲の歌詞が綴られています。ヘアスタイルも可愛い。

『ユーフォリア』はゼンデイヤが出ると知って観ようと思いました。これはドラマが好きというより、色みが気に入っていて。ベージュに赤という配色やフォントが可愛い。ほかのTシャツもそうですけど、やっぱり世界で1枚しかないと思うと自然と愛着が増します。

『ビバリウム』……。観終わった時にすごく後味が悪かったんですけど、たまたま次の日にTシャツをいただいて、嫌だ何だと言いながらもめっちゃ着ています(笑)。バックプリントが気に入っていて、黒のボディにブルーの写真とロゴがマッチしていていいですよね。

ミュージアムショップやアート展などで販売されているTシャツも好きで。このバスキアTはそういったグッズをイメージし、信頼しているグラフィックアーティストにつくってもらいました。バスキアの顔がかっこいい。

周りの人に「どこで売ってるの?」と聞かれることが多い『ロンバケ』。みんな欲しいと思ってくれるみたいで、会話が盛り上がりますね。特にバックプリントが好きで、キャストやエピソードタイトルが入っています。

今年のアカデミー賞の授賞式で、ウィル・スミスにビンタされたコメディアンのクリス・ロック。その事件を面白おかしく再現した1枚です。ストーリー性があって可愛いですし、ブルーの空をバックにした配色も好み。

「SHIMA」を退職する時にロンTをプレゼントしてもらって、それきっかけで知った「VIVA Strange Boutique」の同じくロンT。なんのブートか詳細はわからないんですけど、黄色にブルーが映えた色みが好き。

アシスタント時代に「ベルベルジン」で買った、おそらく『シド・アンド・ナンシー』の時のシド・ヴィシャスT。特にピストルズのファンではないんですけど、キッズサイズでピタッとしたシルエットが気に入ってます。

映画『フロム・ダスク・ティル・ドーン』のTシャツです。観たことは観たんですけど、内容はほとんど覚えていなくて(笑)。1996年に公開された作品なので、キャストの一人で脚本も務めたタランティーノが若い!

PROFILE

長野県出身。東京の美容専門学校を卒業後、「SHIMA」に入社。14年間勤めたのち、今年2月に神宮前に「HART」をオープン。ヘアデザインをアートとして捉え、ギャラリーを彷彿とさせる真っ白な空間を介してモードテイストなスタイルを提案する。アーロ・パークスのファンで、撮影当日に着ていたTシャツはデザイナーの友人に依頼したそう。

@asawakaori
@hart___tokyo

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